沢田蒼梧と中島結里愛、ショパンコンクールに出場のふたりが一夜限りの競演

左:沢田蒼梧/中島結里愛/米田覚士/林 周雅

 11月21日、渋谷区文化総合センター大和田は開館15周年を迎える。これを記念して同館のさくらホールで開かれるのが「一夜限りの若者たちの祭典2025」。ショパンコンクール開催年にちなんで、沢田蒼梧と中島結里愛(ゆりあ)のふたりのピアニストが、ショパンのピアノ協奏曲第1番および第2番を披露する。

 沢田は2021年のショパンコンクールで名古屋大学医学部在学中のピアニストとして脚光を浴びた。その後、大学を卒業し、ピアニストと医師の二刀流で活躍を続けている。26歳の若さにして、いったいどれほど濃密な人生を歩んでいるのかと感嘆せずにはいられない。もうひとりの中島は、今年のショパンコンクールの出場者だ。すでに予備予選を通過して、10月の本選に臨む。なんと、まだ15歳。最年少の出場者となる。

 共演は米田覚士指揮の大和田祝祭管弦楽団。米田は東京藝大の指揮科を卒業、21年の東京国際音楽コンクール〈指揮〉で入選および奨励賞を受賞し、以後、国内主要オーケストラと共演を重ねる俊英だ。大和田祝祭管弦楽団は若手演奏家たちを中心に本公演のために結成されるオーケストラ。コンサートマスターを林周雅が務める。林は佐渡裕のスーパーキッズ・オーケストラでコンサートマスターを務め、『題名のない音楽会』の「題名プロ塾」で話題を呼んだヴァイオリニスト。ほのカルテットの一員としても活動するなど、多方面での活躍ぶりが光る。若き才能が一丸となって、精彩に富んだ音楽を奏でてくれることだろう。

文:飯尾洋一

(ぶらあぼ2025年9月号より)

渋谷区文化総合センター大和田 開館15周年記念
さくらホールコンサート 一夜限りの若者たちの祭典2025
2025.11/21(金)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール 
9/8(月)発売
問:渋谷区文化総合センター大和田 ホール事務室03-3464-3252 
https://www.shibu-cul.jp


飯尾洋一 Yoichi Iio

音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 http://www.classicajapan.com/wn/