ショパン国際ピアノコンクール出場者の響宴~横山幸雄指揮!スペシャルコンサートが10月に開催

古海行子&関本昌平が日本フィルとショパンの協奏曲第2&1番を披露

 ポーランドではショパン国際ピアノコンクールが行われる只中の10月、「日本フィル×ピティナ ショパン・コンサート」と銘打って、一見ありそうでなかった珍しい聴きどころの多い演奏会が行われる。

 まず、2曲のショパンのピアノ協奏曲を指揮するのは、1990年のショパン国際ピアノコンクールで、当時19歳の日本人歴代最年少で1位なしの第3位入賞を果たしたピアニストの横山幸雄だ。指揮者なし、もしくは弾き振りのコンチェルト公演はたびたび行い、数年前には自身が後半にソリストを務める公演で指揮者デビューしているが、自らの十八番のレパートリーで全くピアノを弾かない企画はなかなかないはず。この日はショパンの作品を知り尽くした指揮者の立場で、オーケストラやソリストをインスパイアする。

横山幸雄 ©斉藤 亢

 そこでソリストに迎えられるのが、2021年のショパン国際ピアノコンクール セミファイナリストの古海行子と、2005年第4位入賞者の関本昌平だ。古海は19年にポーランドのパデレフスキコンクールで第3位、22年にはダブリンコンクールで第2位にもなっており、爽やかで輝かしい魅力的なピアノを聴かせてくれるピアニスト。

古海行子 ©Masatoshi Yamashiro

 また関本のほうは正統派かつ論理的な音楽性の持ち主で、今では教育界でも評価が高い。驚くことに、彼がショパンのピアノ協奏曲第1番をステージで弾くのは、コンクール当時以来20年ぶりだという。周囲に流されず、独自のやり方で音楽を深めてきた彼の今のショパンを聴くことができる、貴重な機会となる。

関本昌平 ©松村謙

 レアなポイントたっぷりの演奏会。どんな化学反応が起きるか、ぜひ会場に足を運んで確かめたい。

文:高坂はる香


日本フィル×ピティナ ショパン・コンサート
2025.10/8(水)19:00 サントリーホール

♪出演
指揮:横山幸雄
ピアノ:古海行子*
ピアノ:関本昌平**
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

♪曲目
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21*
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11**

問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911
https://japanphil.or.jp