
右:服部百音(c)YUJI HORI
激動と変化の20世紀で、過去を見つめながら未来への道筋を作ろうとした3人の作曲家の作品が並ぶ。今年生誕100年の芥川也寸志の映画音楽による「八甲田山」は、昭和の歌謡曲を思わせる旋律にあふれ、古い日本の闇へのまなざしを感じさせる。ハンガリーを中心に民謡を広く集めて新しい音楽語法を編み出したバルトークの詩情豊かな「ヴァイオリン協奏曲第2番」では、服部百音のソロにも注目。デンマークの民俗音楽から多くを得ながら明晰で力強い音楽を書いたニールセンの代表作、交響曲第4番「不滅」はフィナーレを締めくくるにふさわしい。東京交響楽団正指揮者・原田慶太楼ならではの、知的に構成された、これは魅力的なプログラムだ。
文:林田直樹
【Information】
東京交響楽団 フィナーレコンサート
慶太楼が贈る、不滅の作曲家たち
2025.8/11(月・祝)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(14:00開場/14:20〜プレトーク)
指揮:原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
ヴァイオリン:服部百音*
プログラム
芥川也寸志:八甲田山(1977)
No.1 八甲田山(タイトル)
No.10 徳島隊銀山に向う
No.37 棺桶の神田大尉
No.38 終焉
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ニールセン:交響曲第4番 op.29 『不滅(滅ぼし得ざるもの)』
●ホール座席券
S席 | A席 | B席 | |
一般 | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 |
友の会 | 5,400円 | 4,500円 | 3,600円 |
U25(小学生以上25歳以下):各席半額
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=4432
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2025
川崎の夏を彩るオーケストラの祭典が今年もやってくる!ホスト・オーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の10団体に加え、九州交響楽団が初登場。計11のオーケストラが日替わりで熱き競演をくり広げる。注目の指揮者陣には、東響の音楽監督として最後の出演となるジョナサン・ノット、東京シティ・フィル常任指揮者の高関健、神奈川フィル音楽監督の沼尻竜典、新日本フィルの前音楽監督・上岡敏之、日本フィルを指揮する下野竜也と名匠たちが揃う。一方、九響の若き首席指揮者・太田弦をはじめ、出口大地、熊倉優、松本宗利音(しゅうりひと)、小林資典(もとのり)とフレッシュな顔ぶれも。「サマーナイト・ジャズ」、歌とオルガンで楽しむ「真夏のバッハ」、小川典子がライフワークとする「イッツ・ア・ピアノワールド」など恒例企画ももちろん健在。熱い夏の到来が待ちきれない!