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アメリカ最大の登竜門に日本から重森光太郎、山﨑亮汰が出場
アメリカ・テキサス州で開催される第17回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール（Van Cliburn International Piano Competition）が現地時間5月21日（日本時間22日）、同州のフォートワースで開幕する。4年に一度開催されるアメリカ最大の登竜門として知られるこのコンクール。予選には45の国と地域を代表する340人のピアニストの応募者の中から、映像審査、スクリーニング・オーディションを通過した28人が出場。23日まで、連日10時、14時半、19時半（現地時間）の3セッションで行われる。
同コンクールは、冷戦の最中、旧ソ連で開催された第1回チャイコフスキーコンクールで優勝したアメリカ人、ヴァン・クライバーンの名を冠し1962年に創設。2009年に辻井伸行が優勝（ハオチェン・チャンと同位）しており、コロナ禍により1年遅れの開催となった前回大会（2022）では、イム・ユンチャンがコンクール史上最年少（18歳）で優勝したことも記憶に新しい。
今大会の出場者を国別にみると、最も多いのが中国の6人、次に開催国アメリカの3人、そして、日本、イタリア、ロシア、韓国からは各2名。日本勢は重森光太郎、山﨑亮汰が出場。重森はロン＝ティボー国際（2022）、山﨑はブゾーニ国際（2023）でそれぞれ入賞歴を持つ実力者。山﨑は10月のショパンコンクール本大会への進出も決めている。
クオーターファイナルに進む18名は現地時間23日夜に発表される予定。
◎出場者一覧 （年齢は2025年5月21日現在）
Piotr Alexewicz（ポーランド）25
Jonas Aumiller（ドイツ）26
Alice Burla（カナダ）28
Yangrui Cai 蔡阳睿（中国）24
Elia Cecino（イタリア）23
Yanjun Chen 陈艳君（中国）23
Jiarui Cheng 程嘉睿（中国）26
Federico Gad Crema（イタリア）26
Shangru Du 杜尚儒（中国） 27
Roman Fediurko Роман Федюрко（ウクライナ）20
Magdalene Ho（マレーシア）21
Carter Johnson（カナダ/アメリカ）28
Xiaofu Ju 鞠小夫（中国）25
Mikhail Kambarov Михаил Камбаров（ロシア）24
David Khrikuli（ジョージア）24
Pedro López Salas（スペイン）27
Philipp Lynov Филипп Лынов（ロシア）26
Jonathan Mamora（アメリカ）30
Callum McLachlan（イギリス）26
Evren Ozel（アメリカ）26
Chaeyoung Park 박채영（韓国）27
Aristo Sham 沈靖韜（香港/中国）29
Kotaro Shigemori 重森光太郎（日本）25
Vitaly Starikov Виталий Стариков（イスラエル/ロシア）30
Angel Stanislav Wang（アメリカ）22
Xuanxiang Wu 武暄翔（中国）18
Ryota Yamazaki 山﨑亮汰（日本）26
Sung Ho Yoo 유성호（韓国）28
※棄権：Anastasia Vorotnaya、Korkmaz Can Sağlam
審査は、予選（40分のリサイタル）、クオーターファイナル（40分のリサイタル）、セミファイナル（60分のリサイタルとモーツァルトの協奏曲）、ファイナル（協奏曲2曲／課題曲＋自由曲）の4つのステージからなる。今大会の審査員でもあるガブリエラ・モンテーロの新作が予選の課題曲とされている以外、リサイタルの選曲が自由なのもこのコンクールの大きな特徴。各ラウンドの演奏曲からもコンテスタントたちの個性が感じられるだろう。
セミファイナル、ファイナルで協奏曲を伴奏するのはフォートワース交響楽団。ファイナルの指揮台には、前回に続きマリン・オルソップがあがる。
4つのラウンドが6月7日までの18日間に凝縮された本大会。5月26日、27日、6月2日、5日以外は毎日審査が行われる。
審査員長のポール・ルイス（アイルランド/イギリス）をはじめ、リコ・グルダ（オーストリア）、児玉麻里（日本/アメリカ）、ガブリエラ・モンテーロ（ベネズエラ/アメリカ）、リーズ・ドゥ・ラ・サール（フランス）、エフゲニー・スドビン（イギリス）ら計9名が審査にあたる。
今大会は、全てのステージの様子がクライバーンのYouTubeチャンネル等を通じてライブ配信されるほか、演奏は、数日以内にApple Music Classicalで独占配信。さらに、年内に上位3名のアルバムがApple傘下のレーベル「Platoon」からリリースされる。
文：編集部
◎予選ラウンド日程演奏スケジュール（5/21追記）
5/22（木）日本時間
Preliminary Recital 1
0:05 – Xuanxiang Wu（中国）18
0:50 – Shangru Du（中国）27
20-minute intermission
1:50 – Xiaofu Ju（中国） 25
Preliminary Recital 2
4:35 – Ryota Yamazaki（日本） 26
5:20 – Federico Gad Crema（イタリア） 26
20-minute intermission
6:20 – Carter Johnson（カナダ/アメリカ） 28
7:05 – David Khrikuli（ジョージア） 24
Preliminary Recital 3
9:35 – Aristo Sham（香港/中国） 29
10:20 – Angel Stanislav Wang（アメリカ） 22
20-minute intermission
11:20 – Philipp Lynov（ロシア） 26
5/23（金）日本時間
Preliminary Recital 4
0:05 – Jonas Aumiller（ドイツ） 26
0:50 – Magdalene Ho（マレーシア） 21
20-minute intermission
1:50 – Roman Fediurko（ウクライナ） 20
Preliminary Recital 5
4:35 – Mikhail Kambarov（ロシア） 24
5:20 – Callum McLachlan（イギリス） 26
20-minute intermission
6:20 – Jiarui Cheng（中国）26
7:05 – Piotr Alexewicz（ポーランド）25
Preliminary Recital 6
9:35 – Alice Burla（カナダ） 28
10:20 – Yanjun Chen（中国） 23
20-minute intermission
11:20 – Jonathan Mamora（アメリカ） 30
5/24（土）日本時間
Preliminary Recital 7
0:05 – Evren Ozel（アメリカ） 26
0:50 – Sung Ho Yoo（韓国） 28
20-minute intermission
1:50 – Chaeyoung Park（韓国） 27
Preliminary Recital 8
4:35 – Pedro López Salas（スペイン） 27
5:20 – Kotaro Shigemori（日本） 25
20-minute intermission
6:20 – Elia Cecino（イタリア） 23
Preliminary Recital 9
9:35 – Yangrui Cai（中国） 24
10:20 – Vitaly Starikov（イスラエル/ロシア） 30
第17回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール
SEVENTEENTH VAN CLIBURN INTERNATIONAL PIANO COMPETITION
◎PRELIMINARY ROUND（28名） 2025.5/21（水）〜5/23（金）
40分のリサイタル（ガブリエラ・モンテーロによるコンクール委嘱作品を含む）
◎QUARTERFINAL ROUND（18名） 5/24（土）〜5/25（日）
40分のリサイタル
◎SEMIFINAL ROUND（12名） 5/28（水）〜6/1（日）
60分のリサイタルとモーツァルトの協奏曲（共演：カルロス・ミゲル・プリエート指揮フォートワース交響楽団）
◎FINAL ROUND（6名） 6/3（火）〜6/7（土）
2曲の協奏曲（共演：マリン・オルソップ指揮フォートワース交響楽団）
https://cliburn.org/2025-competition/
ebravo.jp