歌って、聴いて、踊って…“誰でもOK”の音楽祭が今年もやってくる!
今年も都内各地で「サラダ音楽祭」が開催される。東京都交響楽団と東京芸術劇場の連携により2018年に始まって以来、すっかりおなじみとなったこの音楽祭。その基本コンセプトは、だれもが音楽の楽しさを体感し、表現できること。“Sing and Listen and Dance”の頭文字をとって「SaLaD」と名付けられている。メインプログラムは9月14日と15日に東京芸術劇場で開催される。プログラムは多彩だ。
15日、コンサートホールで開かれる音楽祭メインコンサート《Boléro》では、大野和士指揮・都響がラターの「マニフィカト」、ドビュッシーの交響詩「海」、ラヴェルの「ボレロ」(ダンス付き)からなるプログラムを披露する。最大の注目点はNoism Company Niigataのダンスを伴った「ボレロ」。オーケストラのレパートリーとしてあまりに人気が高いため、作品が本来持つダンスの要素が忘れられがちだが、今回は金森穣の演出と振付により新たな命が吹き込まれる。また、ラターの「マニフィカト」では新国立劇場合唱団の精緻な合唱と、前川依子の清澄なソプラノが聴きもの。
14日の「OK!オーケストラ」は0歳から入場可能のコンサート。ダンサー・振付家の近藤良平とダンス集団コンドルズが登場し、大野指揮・都響と共演する(司会:小林顕作)。ハチャトゥリアンの「ガイーヌ」より〈レスギンカ〉(ダンス付き)、すぎやまこういちの交響組曲「ドラゴンクエストⅤ」天空の花嫁から〈序曲のマーチ〉、東京少年少女合唱隊が参加する中川ひろたか「にじ」(園児ソングの定番だ)、ビゼーの「カルメン」名曲集など、家族みんなで楽しめる曲が並ぶ。
また、子どものためのオペラ《アトランティス・コード》〜伝説の島の謎〜が今年も上演される(9/14, 9/15)。伝説の島アトランティスの謎が隠された本を手に入れた少年と母の不思議な物語が描かれる。作曲はフランク・シュヴェマー、台本はミヒャエル・フロヴィン。もちろん、日本語上演だ。演出と台本翻訳を菅尾友が務め、齋藤友香理が小編成アンサンブルを指揮する。歌手陣は西山詩苑、柳原由香、松原みなみ。オペラといっても1時間程度のコンパクトな作品で、身構える必要はない。こちらは小学生から入場可。
「都響メンバーとLet’s弦楽アンサンブル」では、アマチュアからプロを目指す人まで、さまざまな世代の奏者たちが、都響のメンバーの指導を受けて、ともに演奏する。曲はチャイコフスキーの弦楽セレナーデの第3・第4楽章、グリーグの組曲「ホルベアの時代より」第1・第3楽章など。参加者は事前に3日間のパート&合奏練習を積み、その成果を東京芸術劇場地下1階のロワー広場で発表する(9/14)。音楽をともに奏でることのすばらしさを目の前で体感できることだろう。
都響メンバーによる「サラダ音楽祭マスタークラス」も開講される。管楽器アンサンブルを対象に、9月12日と13日に公開レッスンを行い、14日に発表コンサートがロワー広場で開かれる。
また、多摩地区では「OK!オーケストラ in 多摩」「SaLaDプレミアムコンサート」が開催され、ともに都響が出演する(指揮:藤岡幸夫、梅田俊明 他)。いずれも事前申込制で入場無料。多摩・島しょ地域でもクラシック音楽を身近に感じる貴重な機会となる。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年9月号より)
メインプログラム
2024.9/14(土)、9/15(日)東京芸術劇場、池袋エリア
スペシャルプログラム
【OK!オーケストラ in 多摩】
2024.10/27(日)武蔵村山公演
2025.2/22(土)町田公演
【SaLaDプレミアムコンサート】
2024.9/26(木)小平公演、9/27(金)昭島公演、10/16(水)羽村公演、10/17(木)狛江公演、11/28(木)多摩公演、11/29(金)武蔵野公演
この他、多摩・島しょ地域で小規模公演を予定。
問:サラダ音楽祭事務局03-6704-9342
https://salad-music-fes.com
※フェスティバルの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。