神戸文化ホールで2025年8月29日から9月7日まで
5月31日、第11回神戸国際フルートコンクール 開催決定 記者懇談会が都内で行われ、運営委員長の神田寛明(NHK交響楽団首席フルート奏者、桐朋学園大学教授)、審査委員長の酒井秀明(一般社団法人日本フルート協会会長、洗足学園音楽大学客員教授)らが出席した。
同コンクールはフルートに特化した世界でも珍しい登竜門で、1985年に第1回が開催されて以降、4年に一度行われている。これまでに、現在ベルリン・フィルの首席奏者を務めるエマニュエル・パユ(第2回 第1位)とセバスチャン・ジャコー(第8回 第1位)をはじめ、世界の第一線で活躍するフルーティストを数多く輩出している。また、審査員としてジャン=ピエール・ランパル、オーレル・ニコレといった錚々たる巨匠たちが参加してきた。
2025年の第11回は、8月29日から9月7日まで、動画での予備審査を通過した最大40名の出場者たちが、第1次、第2次、本選と3段階の審査で演奏技術を競う。審査員は全9名で、日本からは酒井と佐久間由美子の2名が参加。佐久間は本コンクールの第1回で2位に入賞した経験を持つ。
運営委員を務めた第6回から本コンクールに携わる神田。2021年に行われたショパン国際ピアノコンクールにも言及しつつ、今大会への意気込みを語った。
「第10回はコロナの影響で多くの困難がありましたが、皆様からのサポートのおかげで過去最多となる483名もの応募が集まり、なんとか開催することができました。そして今日、第11回大会を発表させていただけることにあらためて感謝を申し上げます。
反田恭平さんが第2位に入賞されたショパン・コンクールでは、日本人ピアニストの活躍に日本中が湧きました。我々のコンクールにも世界中から優秀なフルーティストが集まるので、この大会が聴衆にとっても楽しめるものであることを発信し、ショパン・コンクールと同じくらい盛り上げたいです」
第11回で3大会連続の審査委員長となる酒井は、コロナの影響で全ての審査を動画によるオンラインで実施した前回を改めて振り返り、「演奏の良し悪しが動画で判断できるのか不安でした。しかし、コンクール終了後の披露演奏会で日本に集った入賞者たちの演奏を聴いた時、我々がとった判断に間違いはなかったと感じました」と動画審査の有効性を語った。しかし、「実際に生の演奏を聴いて、会場の雰囲気も一緒に感じ取っていただくのが我々が望むコンクールの形。次回大会はコロナ前の形に戻して開催されるので、とても喜んでいます」と8年ぶりとなる対面審査への思いも述べた。
開催期間中には、これまでにも行われてきたアウトリーチコンサート、審査員による演奏会も実施される他、初の試みとして、7月から9月にかけて、約2ヵ月にわたる音楽祭の開催が予定されている。大編成のフルートオーケストラのほか、エマニュエル・パユの出演するコンサート等が企画されているという。
【Information】
第11回 神戸国際フルートコンクール
The 11th Kobe International Flute Competition
開催期日
2025.8/29(金)~9/7(日)
第1次審査:8/29(金)、8/30(土)、9/1(月)、9/2(火)
第2次審査:9/4(木)
本選:9/6(土)
表彰式:9/6(土)
披露演奏会:9/7(日)
※予備審査(動画審査)に合格した最大40名が出場、すべての演奏は一般公開およびオンライン配信される。
会場
神戸文化ホール(中)
審査員
酒井秀明(委員長/日本)
シルヴィア・ガレッドゥ(フランス国立管弦楽団首席奏者/イタリア)
ティモシー・ハッチンス(モントリオール交響楽団首席奏者/カナダ)
アンドレア・リーバークネヒト*(ミュンヘン音楽演劇大学教授/ドイツ) アンドレア・オリバ*(サンタ・チェチーリア国立アカデミー交響楽団首席奏者/イタリア)
朴美香(上海音楽院教授/中国)
フェリックス・レングリ(バーゼル音楽大学教授/スイス)
佐久間由美子*(国立音楽大学・大学院客員教授/日本)
レナーテ・グライス=アルミン(ドイツ)
*過去の神戸国際フルートコンクール入賞者
応募資格
国籍に関係なく、1992年から2009年までの間に出生した者
応募期間
2024.9/1(日)~10/31(木)17:00(日本時間)
賞金
第1位:200万円
第2位:100万円
第3位:50万円
第4~6位:20万円
https://kobe-flute.jp
※コンクールの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。