明日を担う音楽家たち 文化庁在外研修の成果

俊英たちの華麗なる競演

 音楽界の未来を拓く若手演奏家たちが、文化庁の新進芸術家のための海外研修制度を通じての研鑽の成果を披露する『明日を担う音楽家たち』。今回は、玉木優(トロンボーン)、挾間美帆(作曲・ピアノ)、伊藤あさぎ(サクソフォン)、杉田恵理(ヴィオラ)という4人の俊英が、矢崎彦太郎指揮の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団をバックに、鮮烈な響きを紡ぐ。
 20世紀スウェーデンの作曲家フルメリの協奏曲を披露する玉木は、京都市立芸大を経て、スイス・ベルン芸大に学び、最優秀で修了。現在は南デンマークフィルハーモニー管弦楽団の副首席奏者を務め、サイトウ・キネン・オーケストラに参加、後進の指導にも力を注ぐ。
 自作の「Suite ‘Space in Senses’」から「Pentagram Puzzle Interlude Big Dipper」を演奏する挾間は、国立音大を卒業し、主要オーケストラなどに楽曲を提供。2012年には米マンハッタン音楽院大学院を優等で卒業、演奏家としても録音やライヴ活動を展開する。
 グラズノフの協奏曲を吹く伊藤は、東京芸大や同大学院、パリ国立高等音楽院、パリ市立地方音楽院を経て、現在はブリュッセル王立音楽院教育課程に在籍。国内外で精力的な演奏活動の一方、国際コンクールでの受賞も多い。
 ウォルトンの協奏曲を演奏する杉田は、桐朋学園大などを経て、現在はベルリン芸大とハノーファー音大に在籍。ソリストとして国内外の一流楽団と共演を重ねる一方、12年にはARDミュンヘン音楽コンクールの弦楽四重奏部門で特別賞を獲得するなど、室内楽奏者としても評価が高い。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

2/13(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275 
http://www.orchestra.or.jp