ムノツィル・ブラス

すべてを超越した奇跡のエンタテインメント

©Carsten Bunnemann
©Carsten Bunnemann
 とにかく楽しい! クラシック(?)の公演で、これ以上楽しいステージはまずないであろう。それがムノツィル・ブラスのコンサートだ。彼らは、クラシック、オペラ、ミュージカル、ジャズ、ロック、ダンス、歌、笑いが融合した型破りのステージを繰り広げ、聴衆を抱腹絶倒の渦に巻き込む。
 ウィーンの居酒屋「ムノツィル・イン」で夜な夜な即興演奏に励むオーストリアの若手奏者たちが1993年に結成して20余年。年間130回を超える公演を行い、世界中で爆発的な人気を誇る彼らが、この2月にやってくる。元ウィーン・フィルの首席トランペット奏者ハンス・ガンシュの弟トーマス率いる当グループは、トランペット3人、トロンボーン3人、テューバ1人という異色の金管七重奏。様々なジャンルの音楽を披露しながら、舞台上(客席も)を動き、踊り、演技し、オペラ歌手顔負けの歌やコーラスまで聴かせる。超小型楽器や変な楽器も登場するし、メンバーも皆キャラが濃く、ステージ全体がまるで爆笑コントのよう。まさにボーダーレスのブラス・エンタテインメントだ。そして何より凄いのが、高度なテクニックと完璧なアンサンブル。音色は輝かしく、超絶技巧は驚くほど鮮やかで、どんなフレーズもピタリと揃う。ザルツブルク音楽祭にブラス・アンサンブルでは異例の出演を果たしたのも頷けるし、だからこそ楽しさが際立つというものだ。
 彼らの魅力はライヴで体験するに限る。今回はどんなステージを見せてくれるのか? あの感動と愉悦を思えば、また行かずにはおれない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

2/13(金)18:30 愛知県芸術劇場コンサートホール
2/14(土)14:00 ザ・シンフォニーホール
2/15(日)14:00 アルファあなぶきホール
2/16(月)19:00 松山市民会館
2/18(水)19:00京都コンサートホール
2/19(木)19:00 Bunkamuraオーチャードホール
2/20(金)19:00 ゆうぽうとホール
※公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 
http://www.min-on.or.jp