有田正広(指揮) クラシカル・プレイヤーズ東京

満を持してのベートーヴェン「運命」

 日本の古楽界の先駆者で、近年はオリジナルとモダン双方の楽器の特性を生かした演奏活動を続けるフルートの有田正広が率いるオリジナル楽器オーケストラ、クラシカル・プレイヤーズ東京(CPT)。“王道の名曲”であるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」をメインに据え、ソロ・コンサートマスターを務める豊嶋泰嗣をフィーチャーしてのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」に挑むステージを通じて、日本の古楽シーンに新たな1ページを記す。
 有田によってわが国初の本格的なオリジナル楽器オーケストラとして1989年春に結成され、約20年にわたって鮮烈な活動を続けた東京バッハ・モーツァルト・オーケストラのメンバーを中心に、2009年6月に組織されたのがCPTだ。再び有田の指揮のもと、特に古典派以降の作品に焦点を当て、これまで日本ではオリジナル楽器で演奏されなかった作品に果敢に挑戦するなど、野心的な取り組みを展開してきた。
 今回は、満を持してのベートーヴェン「運命」。オリジナル楽器の瑞々しい響きによって、手垢が付いたかに思える名曲にも、きっと新たな魅力をもたらしてくれるだろう。そして、新日本フィルやサイトウ・キネン・オーケストラのコンサートマスターを歴任してきた豊嶋のソロによる「トルコ風」。果たして、モダン楽器の名手が出した、ピリオド・アプローチの美学への答えとは。さらに、鮮烈な「レオノーレ」序曲第3番も、耳を奪うはず。多彩な選曲と繊細な響きが満たす空間。これ以上の贅沢が、他にあろうか。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)

2015.2/14(土)15:00 東京芸術劇場コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 
http://www.geigeki.jp