横山幸雄 ピアノ・リサイタル 入魂のショパン Vol.15

創作の軌跡を、名曲の調べとともにたどる

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 横山幸雄がショパン国際コンクールに“日本人最年少”で入賞を果たしたのは1990年。その20年後、2010年のショパン生誕200年メモリアルイヤーに、横山はピアノ独奏曲全166曲を演奏するギネス記録のコンサート「入魂のショパン」を開催した。それからの15年、コロナ禍の数年は公演延期の対応などに翻弄されつつも、「入魂のショパン」は横山のライフワークとして毎年着実に回を重ね、今年で15回目を迎える。

 近年の公演では青年期の作品や、晩年の創作といったテーマ性を掲げてきたが、節目となる今年はショパンの少年期から円熟期を4部構成で網羅する。第1部は「天才少年から真の芸術家へ」。故郷ワルシャワを発つ直前に作曲したピアノ協奏曲第1番のピアノ独奏版までを追う。第2部は「パリでの若き日のショパン」。希望に満ちた「華麗なる大円舞曲」や彩り豊かな「24の前奏曲」をプログラミング。第3部は「充実の日々と祖国を憂いて光と影の交錯」。このタイトルからも横山の熱意が伝わるが、ソナタ第2番「葬送」やバラード第4番などの内省的かつ熱量の高い作品とともに、パワフルな「英雄」ポロネーズも加わる。第4部は「さらなる高みへ向かって若き円熟の境地」。晩年の名曲「舟歌」や「幻想」ポロネーズなどがラインナップ。どこを切ってもショパンの名曲が顔を出す贅沢な構成だ。各部券と1日通し券がある。ショパンの人生と作品を知り尽くした横山だからこそ提示できる音楽物語にじっくりと耳を傾けたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2024年4月号より)

2024.5/3(金・祝) 10:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
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