本番間近、トリオ・リズルにお話を聞きました!

Trio Rizzle meets イリア・グリンゴルツ

左より:毛利文香、田原綾子、笹沼樹

 もの静かなヴィルトゥオーゾ、イリア・グリンゴルツを迎えて来週、トッパンホールで2つの公演が開催されます。まず最初は彼の無伴奏、2公演目は、それぞれソリストとしても活躍する日本人トリオとの共演「Trio Rizzle meets イリア・グリンゴルツ」。グリンゴルツの来日に先立って、メンバーの毛利文香さん(vn)、田原綾子さん(va)、笹沼樹さん(vc)にお話しを伺いました。

 まずグリンゴルツについて共演経験のある毛利さんがエピソードを披露。
「ものすごい技術の持ち主で隙がなく、音の密度が高い。室内楽で共演した際、普通、弦楽器奏者でボウイングを確認するんですが、彼はスコアにまったく書き込まなくって。書いてくださいっていうのも恐れ多くて(笑)、合わせながら演奏しました。でもそれは考えが揺らいでいるということではなくて、その場のインスピレーションがとても豊かということなんです。奏者同士のコミュニケーションもしっかりとっていました」

 続いて田原さん。
「2019年に武生国際音楽祭に出演していて、彼が弾くパガニーニのカプリースを舞台裏で聴いていたんです。それが、こんな人が世の中にいるんだ!?っていうくらいビックリするような演奏で。コンクールで超絶技巧を競うような演奏ではなく、彼の音楽の世界が溢れていて本当に感動しました。簡単に弾いているようで凄みがあって、出てくる音楽が豊かなんです」

 今回の共演にあたり笹沼さんは、「僕はお会いしたことも実演も聴いたことがなくて、初めての対面が今回の弦楽四重奏なんです(一同笑)。アンサンブルの中でも特に踏み込んだ何かが求められる弦楽四重奏からご一緒する、ということにハラハラした気持ちもあります。ヴァイオリニストっていろんなタイプの方がいらっしゃいますが、無伴奏の曲目を見ただけでもこの方の人となりというか、どういう音楽家なのかということが伝わってくる気がします。今回の2公演は、彼という共通点だけでなく、プログラムでも共通している部分もあって、2つセットというか、それぞれの公演が相乗効果をもたらすのではないかと思います」

 「ファーストヴァイオリンはどなたが?」の問いに対して毛利さんは「2曲とも彼のつもりですが・・・」と笑うが果たしてどうなるのでしょう?
 孤高のヴァイオリニストの無伴奏、そして日本を代表する若手音楽家たちの共演という貴重な2公演、来週の本番をお楽しみに!

イリア・グリンゴルツ(ヴァイオリン)—無伴奏
2024.2/13(火)19:00 トッパンホール


出演
イリア・グリンゴルツ(ヴァイオリン)

プログラム
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 Op.27-1
シャリーノ:6つのカプリース(1976)
エルンスト:練習曲第1番/第4番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番 ト長調 Op.27-5
シャリーノ:6つの新しいカプリース(2023/日本初演)
ヴィトマン:ヴァイオリン独奏のためのエチュード第3番(2002)
エルンスト:練習曲第6番《夏のなごりのばら(庭の千草)》

チケットの購入は、電子チケット teket ウェブサイトから↓

Trio Rizzle meets イリア・グリンゴルツ
2024.2/16(金)19:00 トッパンホール

出演
イリア・グリンゴルツ(ヴァイオリン)
Trio Rizzle
 毛利文香(ヴァイオリン)
 田原綾子(ヴィオラ)
 笹沼 樹(チェロ)

プログラム
シューベルト:弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調 D581
ヴェレシュ:弦楽三重奏曲
シルヴェストロフ:弦楽四重奏曲第1番
プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調 Op.92《カバルダの主題による》

チケットの購入は、電子チケット teket ウェブサイトから↓

問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
https://www.toppanhall.com