18日(日)に開幕する新国立劇場2014/15シーズン《さまよえるオランダ人》上演にさきがけ、16日(金)には中劇場で演奏会形式での上演が行われます。
歌うのは、オペラ公演(2015年1月18日初日)でカヴァーを務める、そうそうたる邦人歌手陣。新国立劇場だからこそ!の豪華さです。
こちらでは、本日行われたゲネプロ(最終総稽古)の様子をご紹介します。
(取材:2015年1月13日 新国立劇場中劇場 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)
出番を待つ、ピアノとヴォーカルスコア、そして、指揮棒・・・
スコアはオペラ公演の稽古でも使われているため、かなりボロボロに・・・
この公演では、ワーグナーの音楽をより理解してもらいたいとの狙いから、演奏を前にまず、指揮の城谷正博さん自身が解説します。
城谷正博さんは現在、新国立劇場音楽チーフ。これまでに新国立劇場ではトーキョー・リングで副指揮を、また鑑賞教室で《椿姫》《愛の妙薬》などを指揮しています。
今回の《さまよえるオランダ人》オペラ公演ではプロンプターを務めます。
演奏会形式ながら、序曲からたっぷりと聴いてもらいます。通常オーケストラが奏でる部分はすべてピアノで演奏します。
普段、表舞台に出ず、縁の下として副指揮やプロンプターを務めている音楽スタッフを間近で見られる、貴重な機会です。
オペラ上演には欠かせない、稽古時のピアノを担当している木下志寿子さん。オペラ公演の稽古では二人のピアニストが幕ごとに分担して演奏しますが、今回は全幕一人で演奏します!
いわゆる演奏会形式と言われる公演では、譜面台を立て、楽譜を見ながらほとんど身動きせずに歌う・・・というのが多いのですが、今回は歌手は全員暗譜で、かつ、演技をまじえながら歌います。
それも、出演者全員がオペラ公演時のカヴァー歌手として普段からいっしょに稽古をし、いつでも舞台にたって歌える状態にしているからこそできるのです。
ワーグナーが得意な指揮の城谷さんも、もちろん、暗譜です!!
舞台には背景があり、また、日本語字幕も見やすい位置に。オペラが初めて、という方や、ワーグナーはちょっと苦手かも?という方にとって今回の公演は、ワーグナーのおいしいところだけを、より判りやすく見られる機会でもあり、 18日(日)からのオペラ公演の予習としても最適です。
歌いながら指揮に演技指導に・・・と大忙しの城谷さん。オペラ公演ではプロンプターボックス(客席からは見えません)のなかから歌手にアインザッツ(歌の出だしなどの指示)を出す重要な役割を担いますが、それ以外にも、稽古場では音楽チーフとして稽古を見守り、また、オペラ公演での歌手の稽古だけでなく、それが終わってからも(あるいは稽古が始まる前に)カヴァー歌手にも稽古をつけるなど、一日の大半を新国立劇場ですごしオペラに捧げています。
そのため、歌手への指示は的確!
ワーグナーを知り尽くし、いつでも自分でピアノを弾きながら歌手に稽古をつけられる音楽チーフならではの演奏会、プロンプターがどういう指示を出しているかも知ることの出来る演奏会です。
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新国立劇場 特別企画
ワーグナー《さまよえるオランダ人》(演奏会形式)
【ドイツ語上演/日本語字幕付】
2015年1/16(金)19:00
新国立劇場 中劇場
予定上演時間:約2時間25分(第Ⅰ幕55分 休憩15分 第Ⅱ・Ⅲ幕75分)
■指揮:城谷正博
■キャスト
【ダーラント】長谷川 顯
【ゼンタ】橋爪ゆか
【エリック】片寄純也
【マリー】山下牧子
【舵手】土崎 譲
【オランダ人】小森輝彦
ピアノ:木下志寿子
■チケット
A 5,400円 B 3,240円
新国立劇場ボックスオフィス
03-5352-9999
●新国立劇場オペラ
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/