川崎・新百合ヶ丘を舞台に17回目の開催となる総合芸術祭が4月6日に開幕!

左:横山幸雄 ©ZIGEN/古海行子/キンボー・イシイ ©白土吉枝

  「アルテリッカしんゆり」は小田急線新百合ヶ丘駅周辺を中心に行われている春の芸術祭。オペラにバレエ、オーケストラにピアノ、演劇や伝統芸能といった多様なジャンルのアーティストが集う世界的にも稀なイベントであり、老若男女問わず楽しめる。

 第17回の今年は4月6日から5月11日まで、川崎市内8会場を舞台に開催。2025年が昭和100年にあたることから、テーマは「今、生きる昭和」に。公演のラインナップにもそれを象徴するものが多く並ぶ。まずは能・狂言の人間国宝による「友枝昭世と山本東次郎の至芸」、人間国宝・五街道雲助と初音家左橋による「落語二人会」、そして市川崑総監督による戦後の日本を描いた「東京オリンピック」(1965年)だ。樹木希林最後の映画となった作品を原作とする、オペラシアターこんにゃく座によるオペラ《あん》は、ハンセン病の問題を扱うも美しい音楽が生きる希望を描く。またジャズピアニスト、国府弘子による「Piano Party」では美川憲一をゲストに迎え、昭和の名曲が奏でられる。アルテリッカならではの特別なコラボレーションだ。

 もちろんクラシックも充実のラインナップ。オープニング公演ではピアニストの横山幸雄が登場、バッハをはじめとした名曲を演奏する。そのほか、第18回ショパンコンクールセミファイナリストの古海行子らが出演する「ザ・ピアニスツ —超進化形—」、キンボー・イシイ指揮・東京交響楽団のオール・ドヴォルザーク・プログラム、藤原歌劇団によるオペラ《ロメオとジュリエット》、スターダンサーズ・バレエ団による『コッペリア』など注目公演が目白押しだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年4月号より)

川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり2025
2025.4/6(日)〜5/11(日) 川崎市アートセンター、昭和音楽大学 他
問:しんゆりチケットセンター044-959-2255 
https://www.artericca-shinyuri.com