多才な名ピアニスト、6年ぶりの登場は日本が誇る巨匠とともに
アルメニア出身のヴァハン・マルディロシアンはパリ音楽院でピアノと室内楽を学び首席で卒業した後、フランスをはじめとする各国で精力的な演奏活動を繰り広げてきた。近年は指揮者としての活躍ぶりが特筆され、日本でも2014年の東京フィルハーモニー交響楽団を皮切りに、NHK交響楽団などの公演にたびたび客演し注目を集めている。本公演ではその多才な俊英がチャイコフスキーのピアノ曲「四季」全12曲を演奏。ロシアの各月の移ろいを管弦楽さながらの豊かな音色で描き出してくれることだろう。
ベートーヴェンの円熟期に書かれ、彼の最後のヴァイオリン・ソナタとなった第10番では、わが国を代表するヴァイオリン奏者として第一線での活躍を続けてきた前橋汀子が出演。両者は過去の共演を通じて深い信頼関係を築いてきた。歴戦の音楽家である彼らにこそ到達し得る奥深いベートーヴェンを聴かせてくれるに違いない。
文:近松博郎
(ぶらあぼ2024年1月号より)
2024.1/16(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://stage.exhn.jp