
右:塩谷 哲
トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニアの第92回定期演奏会は、同楽団の創立30周年記念演奏会でもある。トウキョウ・ミタカ・フィルは、1995年の三鷹市芸術文化センターの開館と同時に、三鷹市出身の指揮者・沼尻竜典の呼び掛けによってトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズの名称で結成され、同センターの風のホールを本拠地として活動している。2016年に現在の名称に変更したが、彼らは、音楽監督・沼尻竜典の弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲全曲シリーズに20年以上取り組んでいる。第24弾となる今回の演奏会では、創立30周年記念ということもあり、ジャズ・ピアニストの塩谷哲を招き、沼尻とともに2台のピアノのための協奏曲(第7番)K.242を演奏する。塩谷もまた三鷹市出身であり、沼尻とは三鷹市立第三中学校の先輩・後輩であり、沼尻とコーラス部で一緒に演奏したこともあるという。二人の共演がどんなコラボになるのか興味津々である。
また、この日は、モーツァルトのザルツブルク時代の最後期に書かれた交響曲第33番も演奏される。カルロス・クライバーも好んで指揮した、4つの楽章からなる魅力的な20分ほどの交響曲である。演奏会後半は、シューベルトの交響曲第5番。小振りな編成でとてもチャーミングな作品であり、シューベルトの交響曲では、第7番「未完成」、第8番「ザ・グレート」に次いで頻繁に演奏されている。沼尻とトウキョウ・ミタカ・フィルとの親密な関係を実感する演奏となるであろう。
文:山田治生
(ぶらあぼ2026年2月号より)
沼尻竜典(指揮) トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア 第92回 定期演奏会
2026.3/7(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール
問:三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122
https://mitaka-sportsandculture.or.jp

山田治生 Haruo Yamada
音楽評論家。1964年、京都市生まれ。1987年慶應義塾大学経済学部卒業。雑誌や演奏会のプログラム冊子に寄稿。著書に「トスカニーニ」、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 」、編著書に「戦後のオペラ」、「バロック・オペラ」、「オペラガイド」、訳書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」などがある。
