佐渡裕が超人気作、《カルメン》に挑む!――兵庫県立芸術文化センター「プロデュースオペラ」記者会見

カルメン役 高野百合絵&ドン・ホセ役 マリオ・ロハスも登場

 兵庫県立芸術文化センター夏の一大イベント、「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」。2026年は、フランス・オペラの最高傑作、ビゼー《カルメン》を上演する。1月22日、同ホール内で記者会見が行われ、指揮を務める佐渡の他、キャストの高野百合絵(ソプラノ)、マリオ・ロハス(テノール)が登壇した。

左より:佐渡裕、高野百合絵、マリオ・ロハス
提供:兵庫県立芸術文化センター 撮影:飯島隆

 昨年10月、開館20周年を迎えた兵庫県立芸術文化センター。オープン間もない2005年12月からスタートした「プロデュースオペラ」も、昨年の《さまよえるオランダ人》で20作目の節目を刻んだ。次の10年に向けた新たな第一歩に選んだ《カルメン》は、09年に一度上演され好評を博した作品だが、今回は欧州で活躍するクリエイティブ・チームによる新制作。05年から13年までパレルモ・マッシモ劇場(イタリア)の芸術監督を務めた演出家 ロレンツォ・マリアーニを中心に、創造性に満ちたステージを作り上げる。出演者は、エカテリーナ・セメンチュク(メゾソプラノ、カルメン)、ロベルト・アローニカ(テノール、ドン・ホセ)、マハラム・フセイノフ(バスバリトン、エスカミーリョ)ら世界の歌劇場で活躍するメンバーが集う組と、高野(カルメン)、ロハス(ドン・ホセ)、髙田智宏(バリトン、エスカミーリョ)ら「プロデュースオペラ」への出演歴を持つ歌い手を中心にした組によるダブルキャスト。

 古今のオペラの中でも、世界で一番上演回数の多い作品とされている《カルメン》。佐渡はその人気の理由について「第1幕への前奏曲や〈ハバネラ〉など誰もが口ずさめるようなナンバーが、ミュージカルのように目白押しに出てくるという点にあると思う」と持論を述べつつ、今回の上演のポイントについて次のように語った。

「昨年の《オランダ人》で大活躍した『ひょうごプロデュースオペラ合唱団』のメンバーを軸にしつつ、公募をかけて総勢100名規模の大合唱団をつくりあげます。《カルメン》では子どもたちのコーラスを含め、合唱が要所で大事な役割を果たしますが、世界や日本を代表する歌手の皆さんが登場するこの兵庫の一大舞台で、なるべく多くの一般の方に参加してもらいたい、という考えからです。昨日も、ここ西宮北口の活性化協議会の皆さんと前夜祭の打ち合わせを行いました。この劇場は地域の皆さんと一緒に作っているんだということをしっかりと認識しながら、ただ“いい演奏をする”だけではなく、より社会的に意味のある存在であれるよう努めたいと思っています」

提供:兵庫県立芸術文化センター 撮影:飯島隆

 2021年の《メリー・ウィドウ》ハンナ・グラヴァリ役で出演して以降、「プロデュースオペラ」で大活躍の高野百合絵。24年《蝶々夫人》では題名役を演じたが、その際の別組のピンカートン役で、出演者変更による代役を見事に務めあげたのがマリオ・ロハスだった。2年の時を経て同じ舞台で再会する二人が、それぞれ今回の公演に込めた想いとは。

高野「《カルメン》はオペラを志すきっかけになり、運命を変えてくれた特別な作品。そしてこの『プロデュースオペラ』は、2021年の初出演時はまだ経験も浅かった私に、その後の活動の基盤となるたくさんの教えを授けてくれました。今回は、稽古場の空気感や、そこで出演者の皆さんと過ごす中で生まれるものを大事にしながら、この舞台でしか生まれないカルメンを作り上げていけたら」

提供:兵庫県立芸術文化センター 撮影:飯島隆

ロハス「このホールがオープンしたおよそ20年前は、私自身、歌手になる道を選ぼうと決めた特別な時期でもありました。今回演じるドン・ホセは、スペインにルーツを持つメキシコ人である自分にとっては非常に思い入れのある役。自分を見つめなおして、極限までその表現を磨き上げたいと考えています」

提供:兵庫県立芸術文化センター 撮影:飯島隆

 兵庫から世界へ、ハイクオリティのプロダクションを発信する「プロデュースオペラ」。チーム一丸となって作りあげる《カルメン》に期待が高まる。

文:編集部


佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2026
ビゼー:歌劇《カルメン》
(全4幕/フランス語上演・日本語字幕付/新制作)

2026.7/17(金)、7/18(土)、7/19(日)、7/20(月・祝)、7/22(水)、7/23(木)、7/25(土)、7/26(日)
各日14:00 兵庫県立芸術文化センター

指揮:佐渡裕
演出:ロレンツォ・マリアーニ
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

出演
カルメン:エカテリーナ・セメンチュク★ 高野百合絵☆
ドン・ホセ:ロベルト・アローニカ★ マリオ・ロハス☆
エスカミーリョ:マハラム・フセイノフ★ 髙田智宏☆
ミカエラ:ヴァレンティーナ・マストランジェロ★ 迫田美帆☆
フラスキータ:梨谷桃子★ 冨平安希子☆
メルセデス:山際きみ佳★ 林眞暎☆
レメンダード:水口健次★ 所谷直生☆
ダンカイロ:ロベルト・アックールソ★ 町英和☆
スニガ:伊藤貴之★ 湯浅貴斗☆
モラレス:的場正剛★ 仲田尋一☆
パスティア:相良アレキサンダー(全日出演)

合唱:ひょうごプロデュースオペラ合唱団、ひょうご「カルメン」合唱団、ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団

★7/17、7/19、7/22、7/25 ☆7/18、7/20、7/23、7/26

3/1(日)チケット一般発売
問:芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255

兵庫県立芸術文化センター
https://www.gcenter-hyogo.jp/carmen2026/