明日11月21日から来日公演がスタート
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の日本公演を指揮する同楽団のカペルマイスター アンドリス・ネルソンスが11月20日、都内で記者会見に出席した。登壇者はネルソンスのほか、同楽団の総支配人アンドレア・シュルツら3名。
創設から280年あまりの歴史を誇る名門ゲヴァントハウス管。初来日は1961年、これまでに260回以上のコンサートを行っている。今回は2019年以来4年ぶりの来日で、東京(11/21、11/22)、札幌(11/25)で計3公演を開催。
会見冒頭、同楽団総支配人のシュルツが挨拶に立った。
「久しぶりのコンサートを非常に楽しみにしています。ゲヴァントハウス管は、今回披露するメンデルスゾーンの交響曲をはじめ、昨今演奏される作品の多くを初演しています。音楽の都というとウィーンをイメージしますが、ライプツィヒはそれに負けない音楽都市です。私たちは歴史を継承し続けている楽団であることを、日本の皆様にもぜひ知っていただきたいです」
ネルソンスは昨年、ボストン交響楽団と来日したほか、セイジ・オザワ 松本フェスティバルの指揮台に立ったことも記憶に新しい。ゲヴァントハウス管では18年から現在のポストを務めている。
「ゲヴァントハウス管は、シューマンやワーグナー、ブラームスなど偉大な作曲家の作品を初演し、当時のサウンドを継承しています。他のオーケストラとの音の違いを言葉で説明するのは難しいですが、作曲家の頭脳がそのまま表現された音だと言っていいと思います。
今回のプログラムは、ワーグナー、メンデルスゾーン、ブルックナーといったライプツィヒと歴史的に関わりの深い作曲家の作品を用意しました。プログラムから私が受けたインスピレーションを皆さんと共有し、攻撃的な感情をやわらげ、幸福を感じてもらえたら嬉しいです」
さらに、芸術のあり方についても考えを語った。
「近年、非常に厳しい世界情勢が報じられていますが、過去にもこのようなことはありました。それぞれの時代で作曲家はメッセージを残そうと作曲をし、指揮者はそれを自分なりに解釈し、オーケストラは聴衆に伝えるために演奏してきました。その営みが継続され、今日に至っています。そして今、音楽にどういう価値があるのか、現代に生きる私たちに問われていると思います。私は音楽を通して人々が共感できると信じています。憎しみから親しみ、慈しみへと、その人の感情を変えるきっかけに、音楽がひとつの役割を果たせると考えています」
【Information】
アンドリス・ネルソンス指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
2023.11/21(火)【A】、11/22(水)【B】各日19:00 サントリーホール
11/25(土)15:00 札幌コンサートホール Kitara【B】
出演/
指揮:アンドリス・ネルソンス
ピアノ:チョ・ソンジン(11/21)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
プログラムA/
メンデルスゾーン:序曲「美しいメルジーネの物語」op.32、交響曲第3番 イ短調 op.56 「スコットランド」
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
プログラムB/
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》から「前奏曲」と「愛の死」
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
来日公演の詳細は上記のリンクからご確認ください
問:カジモト・イープラス050-3185-6728(11/21、11/22)
札幌コンサートホール Kitara 011-520-1234(11/25)
https://www.kajimotomusic.com