ジョン・ウィリアムズゆかりのオケが20年ぶりに来日! 豪華ゲストと贈る傑作選
2023年は日本におけるジョン・ウィリアムズ・イヤーとなりそうだ。現在91歳のジョン・ウィリアムズが30年ぶりに来日することも話題だが、彼が桂冠名誉指揮者を務めるボストン・ポップスによる20年ぶりの来日公演にも注目である! ジョンの後任として、この楽団を率いて29年目となる指揮者キース・ロックハートは意気込みをこう語る。
「オーケストラも私も、日本に戻れることをどれほど楽しみにしているか、言葉では言い表せませんよ!」
来日公演のプログラムは3種。まずは「ジョン・ウィリアムズ・トリビュート」である。この巨匠が書き連ねてきた映画音楽の名曲の数々を惜しみなく並べた、まるでベストアルバムのような選曲だ。しかも曲間には作曲者自身による解説映像が挟み込まれる!
「有名な楽譜の数々、作曲のプロセス、日々の仕事のスケジュールなどについて語るインタビュー・クリップを入手することができ、とても幸運でした。実は、ジョン本人こそがこのプログラムの主役なのです」
このプログラムにはそれぞれ別日にソリストとして2人の日本人が出演する。ヴァイオリンの服部百音(10/6, 10/12)は『シンドラーのリスト』などを、ピアノの角野隼斗(10/7)は『E.T.』の「Over the Moon」などを披露。さらに2人が提案した楽曲も演奏される。
「服部さんからは、彼女の父親(服部隆之)が作曲した美しい作品『Les enfants de la Terre〜地球のこどもたち』(テレビ番組『THE世界遺産』メインテーマ曲)を、角野さんは日本の観客にもとても人気があるガーシュウィンとルロイ・アンダーソンの協奏曲を提案してくれました。観客の皆さんは、感動的なアンコールも聴くことができるかもしれません!(笑)」
2つ目のプログラムは「スター・ウォーズ:ザ・ストーリー・イン・ミュージック」。2019年に完結した全9作のサーガから、聴きどころを集めた傑作選だ。
「3つのトリロジー(三部作)は、いかにジョンが作曲家として成熟したかを示していると思うんです。ライトモティーフ(各主要キャラクターを反映しているメロディ)の数々を、音楽の歴史上で他に類を見ない手法で作り上げたわけですから。ジョンが成し遂げた作曲上の功績は、他のどの作曲家にも真似できないものなんです。だからこそストーリーテラーの説明で各映画のあらすじと各楽曲がどのように調和しているのか体験できるプログラムを、私は作りたかったのです」
近年、ウィーン・フィルやベルリン・フィルを指揮して絶賛を博すなど、ジョン・ウィリアムズの音楽に対する芸術的な評価が高まっている。
「私の理解では、ヨーロッパの多くのオーケストラが昔からジョンを呼ぼうとしていましたが、彼には時間がありませんでした。最近は映画音楽の作曲が減っているので、アメリカ国外でもコンサートの指揮に時間を割くことができるようになっただけなのです」
映像から独立したコンサートでも、ジョンの音楽がこれほど多くの人々を感動させる理由をロックハートはこう解説してくれた。
「そもそも彼は映画音楽以外でも、ヨーヨー・マのような著名な音楽家のために書いた作品で常に大きな尊敬を集めてきました。最近はアンネ=ゾフィー・ムターのためのヴァイオリン協奏曲第2番が世界中で注目を集めましたよね。そして彼は偉大な作曲家であると同時に史上最も熟練したオーケストレーターでもあります。様々なムードや色彩を巧みに喚起するので、楽譜の指示に従う限り、素晴らしい演奏が約束されているのです」
そして3つ目のプログラムは、ジョン・ウィリアムズ以外の楽曲も含めた映画とミュージカルのオールタイムベスト集(10/10)。ゲストとしてミュージカル界のプリンス・井上芳雄が出演とあれば、ファンならずとも気になる内容だけに、すべてのプログラムを要チェックだ!
取材・文:小室敬幸
ボストン・ポップス on the Tour 2023 ジョン・ウィリアムズ・トリビュート 日本公演
【ジョン・ウィリアムズ・トリビュート】
2023.10/6(金)19:00、10/7(土)13:00 18:00 東京国際フォーラム ホールA
10/12(木)18:30 大阪/フェスティバルホール
【スター・ウォーズ:ザ・ストーリー・イン・ミュージック】
2023.10/8(日)14:00 東京国際フォーラム ホールA
10/13(金)18:30 大阪/フェスティバルホール
【OSCAR & TONY】
2023.10/10(火)18:30 サントリーホール
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337(東京)
キョードーインフォメーション0570-200-888(大阪)
https://bpo-japan.srptokyo.com
※公演によりゲスト、曲目が異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。