反田恭平がプロデュース企画への意気込みを語る!

 4月26日、横浜みなとみらいホールで取材会が行われ、「プロデューサー in レジデンス」第2代プロデューサーの反田恭平が出席し、今後のラインナップや意気込みを語った。

 世界的に活躍する演奏家が公演をプロデュースする「プロデューサー in レジデンス」。今年4月に第2代に就任したことについて反田は「中学生くらいの頃から弾く機会があり、その響きの美しさに魅了されている横浜みなとみらいホールで仕事をさせていただけるのはとても嬉しい。自分のアイディアがどこまで通じるのかトライしていきたい」と強い意欲と同ホールへの愛着を見せる。

 初代プロデューサーの藤木大地は「全国の音楽事業者との協働」や「音楽職業人の育成」をテーマとして掲げていたが、反田は自身のテーマを「新しい可能性」と語る。「ピアニストであり、オーケストラを持つ指揮者である自分だからこそ作れるものを提示していきたい」という。具体的な企画として挙げられたのは作曲家の池辺晋一郎への新曲委嘱である。
「様々な楽器のための協奏曲があるけれど、指揮者のための作品はない。そこでピアノの弾き振りのための曲を書いていただけないかとお願いした。単一楽章で二管編成という希望だけ伝え、あとはお任せしている。どのような作品が出来上がってくるか、とても楽しみ」

 注目の新作が披露されるのは反田プロデュースの「横浜みなとみらいホール 25周年音楽祭」(2024.3/20~3/24)である。5日間にわたるコンサートの「大きな柱」になるものだという。なお、この音楽祭では反田が掲げるテーマのとおり「新しい可能性」が模索され、通常19時に開演することの多いコンサートの時間を遅めに設定するなど、フレキシブルな時間設定を予定している。さらに、乳幼児、障がいのある方向けのコンサートも積極的に企画し、全部で25企画を目指すという。

 もう一つ反田が企画しているのが「オルガン道場」だ。「プロのピアニストがはじめてオルガンを演奏し、どのようなものがお届けできるか、ぜひ期待してほしい」と語っており、実際にどのように演奏が披露されるかは調整中とのこと。曲については「ブラームスのコラールなどを演奏したいと思っている」という。近日中に情報公開とのことなので期待したい。

「横浜市の中学生の招待や、音楽の道を志す若者の後押しをしたい」など、未来の展望を含め、強い想いと多彩なアイディアを語っていた反田。横浜みなとみらいホールを中心にクラシック音楽の一大ムーブメントが生まれそうだ。

取材・文・写真:長井進之介

横浜みなとみらいホール
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