GW恒例「ガルガンチュア音楽祭」にふたりの若き実力派ピアニスト——黒木雪音、竹田理琴乃が登場

左:黒木雪音 右:竹田理琴乃

多彩なラインナップから注目の2公演をご紹介!

 ゴールデンウィークに石川県金沢市を中心に開催されるガルガンチュア音楽祭。2025年は大阪・関西万博にちなみ、「世界をつなぐハーモニー」をテーマに、オーケストラ、室内楽、ソロ、入門編など多彩な音楽が5つの“ミュージック・パビリオン”に集結する。

  “アーティスティック・パビリオン”と化す「金沢市アートホール」にて、本公演初日の5月3日朝一番に登場するのは、2022年のリスト・ユトレヒト(旧称:リスト国際コンクール)で優勝を飾ったピアニスト黒木雪音だ。公演はショパンのノクターンop.32-1で明るく柔らかに幕を開ける。中心となるのは、黒木自身の軌跡をたどるリスト・プログラムだ。「愛の夢」「ラ・カンパネラ」のほか、コンクールでも彼女の深い音楽性を聴かせたバラード第2番も披露。これは聴き逃せない。

 同ホールの5月4日には、金沢市出身のピアニスト竹田理琴乃が登場する。12歳で石川県でのリサイタル・デビューを飾った竹田は、ポーランド国立ショパン音楽大学を首席で卒業。昨年の日本音楽コンクールで優勝以来、ますます人気を高めている。今回はショパンのノクターン第20番やポロネーズ第6番といったソロのほか、これまでにも共演を重ねてきたオーケストラ・アンサンブル金沢からの精鋭メンバーを迎えて室内楽も披露。若き日のブラームスが書き上げた傑作、ピアノ四重奏曲第3番を取り上げる。音楽家としての深化と飛躍を続ける竹田の芸術に注目したい。

文:飯田有抄


ガルガンチュア音楽祭2025「世界をつなぐハーモニー」
会期:2025.4/27(日)~5/5(月・祝)
本公演:5/3(土・祝)~5/5(月・祝) 
会場:石川県立音楽堂、金沢市アートホール、北國新聞赤羽ホール、金沢市文化ホール、石川県立能楽堂、北陸エリア(福井、石川、富山)

黒木雪音ピアノリサイタル
2025.5/3(土・祝)11:20 金沢市アートホール
出演
黒木雪音(ピアノ)
プログラム
ショパン:ノクターン op.32-1 ロ長調、スケルツォ op.39-3 嬰ハ短調
リスト:コンソレーション第3番 S.172、超絶技巧練習曲より第8番「狩」、3つの夜想曲より第3番「愛の夢」、バラード第2番、パガニーニ大練習曲より第3番「ラ・カンパネラ」

竹田理琴乃×ブラームス—響き合う四つの音
2025.5/4(日・祝)12:40 金沢市アートホール
出演
竹田理琴乃(ピアノ)、坂本久仁雄(ヴァイオリン)、丸山萌音揮(ヴィオラ)、早川寛(チェロ)
プログラム
ショパン : ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作、ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53 「英雄」
ブラームス : ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 op.60

問:ガルガンチュア音楽祭チケットカウンター076-232-8118
https://www.gargan.jp