生誕200年に味わう、フランス近代音楽の礎を築いたフランクの傑作
ベルギー出身ながらパリで活躍し、“フランス近代音楽の父”と称されるセザール・フランクは、今年12月10日に生誕200年を迎える。豊田市コンサートホールでは、彼の記念すべき日に開かれる専属オルガニスト、徳岡めぐみのリサイタルを軸として、進行中の講座(全3回)と併せて、フランクの全オルガン独奏作品を連続して紹介。その深遠なる魅力を掘り下げる。
「ヴァイオリン・ソナタ」などの佳品で知られるフランク。傑出した作曲家として幅広いジャンルで多くの作品を残し、教育者としてショーソンらを育てる一方、卓越したオルガンの名手としても知られる。30代半ばで就任したパリのサント・クロチルド聖堂オルガニストの職には生涯を通じて留まり、この楽器の独奏のために20曲以上の作品を残している。
東京藝術大学を卒業後ハンブルク音楽演劇大学で学んだ徳岡は、オランダのシュニットガー国際オルガンコンクールを制して、欧州各地でも活躍。今回のリサイタルでは、代表作「前奏曲、フーガと変奏曲」や「交響的大曲」といった1860年代の作品を中心に、1878年の「3つの作品」や最晩年の「コラール第1番」までを弾き、オルガン作品の世界を俯瞰する。
また、「セザール・フランクの魅力」をテーマとした「パイプオルガンを楽しむための講座」は、すでに2回(6月、8月)を開催。10月22日の第3回「フランクにハマる! オルガン作品の魅力」では、ベルギー出身で那須野が原ハーモニーホールのオルガニスト、ジャン゠フィリップ・メルカールトが登場し、「コラール第2番」「フィナル」ほかを取り上げる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2022年10月号より)
2022.12/10(土)15:00 豊田市コンサートホール
問:豊田市コンサートホール・能楽堂事務室0565-35-8200
https://www.t-cn.gr.jp