ジャパン・オペラ・フェスティヴァル 2023 記者会見
世界遺産 法隆寺での開催を発表

 9月12日、「ジャパン・オペラ・フェスティヴァル 2023」の開催を発表する記者会見がホテル日航奈良で行われた。公益財団法人 さわかみオペラ芸術振興財団理事長・澤上篤人、法隆寺管長・古谷正覚、奈良県知事・荒井正吾らが登壇した。

左から:統括責任者 山田純、法隆寺管長 古谷正覚、奈良県知事 荒井正吾、
公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団 理事長 澤上篤人

 ジャパン・オペラ・フェスティヴァルはこれまでに、姫路城、平城京大極殿、熊本城、名古屋城など世界遺産や国宝を舞台に野外オペラ公演を行ってきた。2023年、世界遺産に登録されて30周年となる法隆寺で4年ぶりとなる公演を開催することが発表された。

公演概要
公演日:2023.5/18(木)〜21(日)全4日間公演
会場:法隆寺 大講堂前
演目:ヴェルディ作曲《イル・トロヴァトーレ》
指揮:吉田裕史
演出:選考中
管弦楽:モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニー
出演:日本・イタリア両国におけるオーディションで決定

 会見で財団理事長の澤上は次のように語った。

「ジャパン・オペラ・フェスティヴァルは、日本の歴史的建造物を借景とした舞台と、イタリアのトップレベルの歌手、奏者を融合させた世界でも唯一無二のオペラ公演。2015年から開催しているが、日本以上に世界で名が知られてきている。来年、法隆寺でできることをわれわれ自身楽しみにしていますが、海外でも大きな話題になっているんです」

公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団 理事長 澤上篤人

 続いて法隆寺管長 古谷のコメント。

「かなり前に澤上さんからお話をいただきました。法隆寺は国宝や文化財が多いので養生など十分な準備が可能なら、ということで了解しました。来年は世界文化遺産に登録されて30周年記念になるので、ぜひ成功してほしいと思っています」

法隆寺管長 古谷正覚

 最後に奈良県知事の荒井は、

「奈良県は文化の力で奈良を元気にするというコンセプトのもとムジークフェストというイベントを10年やってきています。ジャパン・オペラ・フェスティヴァルは平城京での《トゥーランドット》も素晴らしかったから今回も期待しています」と語った。

奈良県知事 荒井正吾

 特設ステージの設置場所案は西院伽藍の大講堂前。よって、客席の後ろには金堂と五重塔、それらを回廊が取り囲むというまさに法隆寺の中心と呼べる場所での上演が検討されている。席数は1,000〜1,200で入場料は、5,000〜25,000円(中心価格帯は、15,000円前後)の予定。

 法隆寺という日本人にとって特別な意味を持つ場所に、芸術文化を愛する人々が国内外から集う。さまざまな行動が制限されてきたコロナ禍の年月も、この喜びをひときわ大きなものにしていくことだろう。

法隆寺 大講堂