23年ぶりのポーランド国立放送響来日ツアーの会見に角野隼斗らが出席

 23年ぶりに日本ツアーを行うポーランド国立放送交響楽団が、9月5日、ポーランド大使館で記者会見を行った。ポーランド国立放送響 ディレクターのエヴァ・ボグシュ=ムーア、ピアニストの角野隼斗が登壇した。
 今回の来日ツアーは、9月7日から19日にかけて全国11都市で公演が開催される。バーンスタインの薫陶を受けたマリン・オルソップが指揮を、Cateen(かてぃん)名義でYouTubeのチャンネル登録者が100万人を超える角野隼斗がソリストを務める。

左:角野隼斗 右:エヴァ・ボグシュ=ムーア 提供:ポーランド広報文化センター

 ポーランド国立放送響の本拠地であるカトヴィツェは、炭鉱の街として栄えたが、現在は文化による発展を目指している。同楽団ディレクターのエヴァ・ボグシュ=ムーアは、「我々はポーランド音楽のアンバサダーとして、祖国の音楽を紹介し続けています。20年ぶりに日本ツアーができること、そして祖国の作曲家バツェヴィチの作品を披露することができることを嬉しく思っています」とコメント。
 ポーランド国立放送響は1935年にワルシャワで創設され、第二次世界大戦の戦火を逃れて1945年にカトヴィツェに拠点を移した経緯がある。昨今の社会情勢によりウクライナから200万人以上の難民を一般家庭で受け入れているポーランド。カトヴィツェのコンサートホールでは親子で参加できる教育イベントを開催していて、そこにはウクライナからの避難民も参加できるという。

左:角野隼斗 右:エヴァ・ボグシュ=ムーア 提供:ポーランド広報文化センター

 続いて角野は「ツアーのソリストを務めることを光栄に思います。全11公演の成功のため全力を尽くしたい」と意気込みを語った。曲目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番。昨年行われたショパン国際ピアノコンクールでは、3次予選まで進むもショパンの祖国のオーケストラとの共演は叶わなかった。「1年前にはとても辛い思いをしました。今回のツアーは自分の中でのショパンコンクールが完結する機会と考えています」と述べた。
 会見では、角野がショパンの「華麗なる大円舞曲」を、ポーランド国立放送響のメンバーによる弦楽四重奏がモニューシュコ作曲「弦楽四重奏曲 ニ短調」を披露した。

角野隼斗 提供:ポーランド広報文化センター
ポーランド国立放送響のメンバーによる弦楽四重奏 提供:ポーランド広報文化センター

 また、今回の会見ではポーランド国立放送響が主催する、カロル・シマノフスキ国際音楽コンクールの開催も発表された。

ポーランド国立放送交響楽団来日ツアー
2022.9/7(水)19:00 川口総合文化センター・リリア(048-254-9900)
9/8(木)19:00 サントリーホール(サンライズプロモーション東京0570-00-3337)
9/10(土)14:00 大阪/ザ・シンフォニーホール(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)
9/11(日)15:00 静岡/グランシップ(054-289-9000)
9/12(月)18:45 愛知県芸術劇場 コンサートホール(東海テレビ放送事業部052-954-1107)
9/13(火)19:00 福岡サンパレス ホテル&ホール(ヨランダオフィス・チケットセンター0570-033-337/092-406-1771)
9/14(水)19:00 岡山シンフォニーホール(TSCテレビせとうち事業コンテンツ部086-803-7017)
9/16(金)19:00 金沢歌劇座(北陸放送開発事業部076-262-1717)
9/17(土)14:00 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)(オフィスマユ026-226-1001)
9/18(日)15:00 山形テルサ(023-646-6677)
9/19(月・祝)15:00 神奈川県民ホール(サンライズプロモーション東京0570-00-3337)
●出演
ポーランド国立放送交響楽団
マリン・オルソップ(指揮)
角野隼斗(ピアノ)
●プログラム
バツェヴィチ:序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」もしくは、ブラームス:交響曲第1番
https://tempoprimo.co.jp
※ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

第2回カロル・シマノフスキ国際音楽コンクール
https://szymanowski-competition.com/en/home-en/
※コンクールの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。