大野和士(指揮) 東京都交響楽団

シーズン幕開けにふさわしいドイツ・ロマン派傑作選

 陽光まぶしい季節到来。東京都交響楽団の2022年度シーズンは、音楽監督・大野和士の指揮で、シューマンとR.シュトラウス、ドイツ・ロマン派の傑作で開幕する。シューマン「ピアノ協奏曲」のソリストは、若手トップをひた走る藤田真央。2019年6月、弱冠20歳でチャイコフスキー国際コンクール第2位に入賞以来、その勢いは止まらない。コロナ禍をものともせず、国内外の数々のコンサートで実力を発揮し、今年2月の欧州・イスラエルのツアーも成功させたばかりだ。シューマンは、独奏ピアノとオーケストラが一体となってシンフォニックな響きを作り出すピアノ協奏曲。ロマンティックでファンタジー溢れる世界をどのように描くのか。さらりと弾いているようで細部まで目を行き届かせている藤田の演奏に期待が高まる。

 後半のR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」は、一連の交響詩の最後に位置する自伝的な色あいの強い作品。4管編成のオーケストラを駆使した豊穣な音響と細やかな描写は、近代オーケストラが到達したひとつの極限といえる。ヴァイオリン・ソロは、都響の顔、ソロ・コンサートマスターの矢部達哉。愛に満ちた旋律を極上の音色で奏でてくれるはず。

 これら2作をニュアンス豊かに、引き締まった指揮でまとめ上げる大野は、2015年の音楽監督就任以来、国際的なオペラ・プロジェクトや現代曲を含む多彩な選曲でその関係を深めてきた。今回はロマン派の極み。幻想と官能の響きがホールを満たすだろう。
文:柴辻純子
(ぶらあぼ2022年4月号より)

都響スペシャル 
2022.4/21(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
第948回 定期演奏会Aシリーズ 
4/22(金)19:00 東京文化会館
問:都響ガイド0570-056-057 
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