
大野和士の神業 ― 高度な演奏能力を求められる挑戦的なオペラ作品を巧みに采配する完璧な指揮
〜MUSICAL AMERICA – プロコフィエフ「炎の天使」 – エクサンプロヴァンス音楽祭〜
リハーサル時の大野和士の一貫した冷静さ、それは対峙する音楽を完璧に掌握しているからだけではない。大野がその作品のすべてを受け入れ感じ取っているからだ。音楽家たちと共に創り上げ追求したいという飽くなき情熱が叡智となり、 衒いない表現豊かな指揮として体現され、実に深いメッセージへと昇華される。公演の後はピアノで一節を奏でながらリラックスするのが習慣。彼にとって音楽とは、人生の中核となる原動力である。
東京都交響楽団音楽監督、新国立劇場オペラ芸術監督を務める。2022年9月からブリュッセル・フィルハーモニック音楽監督。これまでザグレブ・フィル音楽監督、バーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立モネ劇場音楽監督、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者、バルセロナ交響楽団音楽監督を歴任。近年も、サントリーホールでの初演後、BBCプロムスで演奏されたターネジ作曲による『Hibiki』など数々の成功を収める。
2019年、大野和士が発案した国際的なオペラ・プロジェクト「オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World」が大きな話題を集め、2019年『トゥーランドット』、2021年『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ともに絶賛を博した。また、新国立劇場では、2019年に西村朗『紫苑物語』(世界初演)、2020年に藤倉大『アルマゲドンの夢』(世界初演)、2021年にワーグナー『ワルキューレ』、ビゼー『カルメン』(新制作)、渋谷慶一郎『スーパーエンジェル』(世界初演)、2022年にドビュッシー『ペレアスとメリザンド』、ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』を指揮、大きな話題を呼んだ。
大野は世界から引く手あまたの存在であり、これまでにボストン響、ロンドン響、ロンドン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、フランクフルト放送響、パリ管、フランス放送フィル、スイス・ロマンド管、イスラエル・フィルなど主要オーケストラへ客演を重ね、「繊細な美しさ、満ちあふれる威厳、心を揺さぶる感動の渦に包まれた最高のコンサートをもたらした」と高い評価を受けている。またミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、英国ロイヤル・オペラなど主要オペラハウスからも招かれ数々のプロダクションを指揮。リヨン国立歌劇場任期後には芸術文化勲章「オフィシエ」を受勲。その他、日本芸術院賞、サントリー音楽賞、朝日賞など受賞多数。文化功労者。
コンサート情報
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