イレブン・クラシックス vol.4 森谷真理(ソプラノ) & 山田武彦(ピアノ) バード・サンクチュアリ 〜鳥たちは歌う〜

名手2人がつむぐ鳥たちの音楽

 彩の国さいたま芸術劇場で、平日の午前11時から始まる「イレブン・クラシックス」シリーズ。音楽ジャーナリストの林田直樹のナビゲートで、毎回魅力的な音楽を紹介しているが、4回目となる2022年2月22日には、今もっとも聴くべきソプラノ森谷真理が登場。06年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場での《魔笛》夜の女王で一躍脚光を浴びて以来、ヨーロッパの歌劇場でキャリアを重ねてきた。日本では14年、びわ湖ホール《リゴレット》ジルダでデビュー。以後数多くのオペラで主役を歌い続け、今や日本のオペラ界における最高のソプラノといっても過言ではない。

 そんな森谷が今回タッグを組むのは山田武彦。おそらく日本でソリストから指名される回数がもっとも多いピアニストの一人ではないだろうか。ソリストが求める表現を即座に理解し、さらにそれを上回る芸術性を実現してみせる山田のピアノもまた、日本のクラシック界において稀有なものである。

 ふたりが披露するのは、 “鳥”にちなんだ作品。まず“鳥”をテーマにしているというのがユニークだが、選ばれた作品は国も時代も実にバラエティに富んでいる。モーツァルトあり、ラヴェルあり、メシアンあり、さらにアフガニスタンの伝承音楽まで、スタイルの異なる作品を集めてひとつのコンサートを作り上げられるのは、このふたりならではだ。ラジオのパーソナリティも務める林田の楽しいトークに導かれ、 あなたも“バード・サンクチュアリ(鳥たちの楽園)”に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2022年1月号より)

2022.2/22(火)11:00 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
問:SAFチケットセンター0570-064-939 
https://www.saf.or.jp/arthall