2022年4月の海外公演情報

Musikverein

『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。海外にはなかなか出かけられない日々が続きますが、“妄想トラベル”を楽しみましょう!
[以下、ぶらあぼ2022年1月号海外公演情報ページ掲載の情報です]

曽雌裕一 編

【ご注意】
 新型コロナウイルス感染の影響により、本欄に掲載した音楽祭や劇場等の公演予定について、今後、重大な変更や中止・延期等の措置が施されて実際の公演内容と異なってしまう可能性も十分あり得ます。その点をご留意いただき、最新情報は必ず各音楽祭・劇場等のウェブサイトでご確認いただきますようお願いいたします。

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 4月の注目ポイントとしては、(1)復活祭関連の音楽祭がほぼコロナ前と同規模で開催の予定、(2)ワーグナー作品の新演出公演が目白押し、という2点をまず挙げることができようか。

 音楽祭関連では、まずは「ザルツブルク復活祭音楽祭」。2022年から総監督に就任予定のニコラウス・バッハラーとの音楽祭運営をめぐる確執により、ティーレマンの出演は2022年までとなる。その彼が最後に指揮するオペラはワーグナーの「ローエングリン」。ローエングリンにE.カットラー、エルザにJ.ワグナーという目新しい歌手起用に加え、ヴィーラー、フィーブロック、モラビト3人がチームで演出に当たるというのが新機軸。オーケストラ演奏会も、指揮者にソヒエフ、ヴィオラにタメスティなどを揃えてこれも魅力的。

 ベルリンの「フェストターゲ」はバレンボイム指揮でモーツァルトの「ダ・ポンテ三部作」(「ドン・ジョヴァンニ」は音楽祭直前にプレミエ)の他、例によってウィーン・フィル、ヴァイオリンのムター、ピアノのアルゲリッチ、声楽のバルトリ等を招聘し、いつもながらの興行師バレンボイムとしての才は面目躍如。「バーデン=バーデン復活祭音楽祭」はキリル・ペトレンコとベルリン・フィルの晴舞台。2022年はチャイコフスキー「スペードの女王」が新演出公演。リーザに人気ソプラノ、グリゴリアンを配して万全の体勢。他にもロトやネルソンスの指揮、ネトレプコ出演のオーケストラ・コンサートなど注目公演満載。フランスの「エクサン・プロヴァンス復活祭音楽祭」もヴァイオリンのR.カプソン、ピアノのピリス、テノールのフローレスなど多彩な出演陣。

 一方、コロナ収束のタイミングを見据えてのことだろうが、ワーグナーの新演出が4月に一挙に出始める。列挙してみると、ウィーン国立歌劇場の「トリスタンとイゾルデ」(ジョルダン指揮、シャーガー出演)、ザルツブルク復活祭音楽祭の「ローエングリン」、ハンブルク州立歌劇場の「タンホイザー」(ナガノ指揮、フォークト出演)、シュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」、チューリヒ歌劇場の「ラインの黄金」等々。それ以外にもネゼ=セガン指揮の演奏会形式「ラインの黄金」(バーデン=バーデン祝祭劇場とシャンゼリゼ劇場)をはじめとして、特にドイツではほとんどの劇場でワーグナーの上演が行われる。その中から、注目公演筆頭はシュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」。各幕毎にコンセプトも手法も異なる人物ないし劇場集団を演出に配するという奇想天外な上演。これはぜひ実演で見てみたい。

 その他、復活祭音楽祭関連とワーグナー以外のオペラで要注目は、まずはケルン歌劇場のベルリオーズ「ベアトリスとベネディクト」(ロト指揮)。フランス語圏以外での上演は極めて珍しい。続いてはリセウ大劇場でミンコフスキが指揮するモーツァルトの「ダ・ポンテ三部作」。他には、ヤーコプス指揮フライブルク・バロック・オーケストラのウェーバー「魔弾の射手」(演奏会形式)、ニコディエヴィチの「マリア・カラスの7つの死」(ベルリン・ドイツ・オペラ)、宮本亜門演出のプッチーニ「蝶々夫人」(ドレスデン・ゼンパーオーパー)、シマノフスキの「ロジェ王」(カンブルラン指揮/フランクフルト歌劇場)など多種多彩。現代ものにもクルターク(パリ・オペラ座)、Y.ヘラー(ケルン歌劇場)、エトヴェシュ(ジュネーヴ大劇場)の各作品など興味深いものが並ぶ。

 オーケストラでは音楽祭でのベルリン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンの他、マーラーの交響曲3番をナガノ=ハンブルク・フィル、2番をシャイー=スカラ座管、9番をチョン・ミョンフン=スカラ・フィルで聴ける。その他、ラトル=ロンドン響のヴァイル「7つの大罪」、サヴァール指揮のコンセルトヘボウ管、サロネン=パリ管のラヴェルやバルトーク、メッツマッハー=ウィーン響でのヴァインベルク作品など注目公演はキリがない。
(曽雌裕一・そしひろかず)

(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)