【CD】青空の向こうに―心に沁み入るギタリスト/木村眞一朗

 話題の映画公開も控えて活気づく日本のクラシック・ギター・シーンにまた一人、俊英が登場。1994年生まれ、木村眞一朗のデビュー盤は南米の人気作品から、スペインの巨匠によるオペラ幻想曲、映画音楽、武満徹編曲のビートルズ・ナンバーと王道を網羅しつつ、“パリのポーランド人”タンスマンの抒情的な「カヴァティーナ組曲」などが秀逸。加えて、作・編曲家として活躍しながら2016年に50歳で病没し、広く惜しまれた佐藤弘和の作品も聴きもの。心に沁み入る「静かな子守歌」と伸びやかな「エヴァーグリーン」も素晴らしいが、やはりアルバム表題曲に心を奪われる。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年10月号より)

【information】
CD『青空の向こうに―心に沁み入るギタリスト/木村眞一朗』

バリオス:ワルツ第4番/マイヤーズ:カヴァティーナ(ディア・ハンターのテーマ)
タレガ:椿姫の主題による幻想曲
リョベート:「カタロニア民謡」より〈盗賊の歌〉〈アメリアの遺言〉
タンスマン:カヴァティーナ組曲
レノン=マッカートニー(武満徹編):イエスタデイ
佐藤弘和:静かな子守歌、エヴァーグリーン、青空の向こうに 他

木村眞一朗(ギター)

ソナーレ・アートオフィス
SONARE1044 ¥2400+税