読売日本交響楽団が2025/26シーズンプログラムを発表

セバスティアン・ヴァイグレ (c)読響

常任指揮者ヴァイグレの任期を28年3月まで延長

 11月7日、読響が2025/2026シーズン(2025年4月〜26年3月)のプログラムを発表した。サントリーホールを会場とする定期演奏会と名曲シリーズ、東京オペラシティ コンサートホール(4月~8月)、東京芸術劇場 コンサートホール(10月~26年3月)で行う土曜/日曜マチネーシリーズ、横浜みなとみらいホールでの横浜マチネーシリーズの4シリーズを柱とする。

 先月、同楽団9年ぶりとなった欧州ツアーでもタクトをとった常任指揮者セバスティアン・ヴァイグレは7季目のシーズンを迎える。昨季はアイスラー「ドイツ交響曲」の日本初演(23年10月)、今季はベルクの歌劇《ヴォツェック》(25年3月)と、20世紀ドイツの大作を続けて取り上げているが、新シーズンでは、ハンス・プフィッツナー(1869-1949)のカンタータ「ドイツ精神について」(1921)を日本初演する(26年1月)。プフィッツナーは、ドイツを中心に指揮者としても活躍した後期ロマン派の作曲家。大管弦楽をバックに、ドイツ・ロマン主義の詩人、アイヒェンドルフの詩を4人のソリストとコーラスが歌う壮大な作品でマエストロは一体どのような世界観を創り上げるのだろうか。
 ヴァイグレは他にも、オール・ブラームス(26年1月)、得意のR.シュトラウス(6月)を披露するなど、全13公演に出演する。

ユライ・ヴァルチュハ (C)読響

 前任の山田和樹に代わり今季から首席客演指揮者を務めるユライ・ヴァルチュハは8月に登場。読響との初共演となった2022年のマーラー9番、今季の3番に続き、新シーズンでは「大地の歌」を披露する。これに組み合わせるワーグナー《トリスタンとイゾルデ》から「前奏曲と愛の死」では、オペラ指揮者としても活躍するヴァルチュハのタクトさばきに注目したい。その他、ベートーヴェン「英雄」と、同曲の葬送行進曲のモチーフが引用されたR.シュトラウス「メタモルフォーゼン」をカップリングしたプログラムでも登壇。
 桂冠指揮者のシルヴァン・カンブルランは7月の2公演、指揮者/クリエイティヴ・パートナーの鈴木優人はシーズンラストの26年3月に登場する。

シルヴァン・カンブルラン
鈴木優人 (c)読響

 客演陣には、ドイツを中心に要職を歴任、現在はハンブルク州立歌劇場の総音楽監督を務める巨匠ケント・ナガノ(9月)、2021年に女性として初めてバイロイト音楽祭の指揮台に立ったオクサーナ・リーニフ(4月)ら実力者が登場。今年、バーミンガム市響の音楽監督に就き、来年6月にはベルリン・フィルにも客演する山田和樹は團伊玖磨《夕鶴》(演奏会形式)を披露する(11月)。

左より:ケント・ナガノ (c)Benjamin Ealovega/オクサーナ・リーニフ (c)Oleh Pavliuchenkov/山田和樹 (c)読響

 ソリスト陣も豪華な顔ぶれ。海外組ではイザベル・ファウスト、アウグスティン・ハーデリヒ(以上ヴァイオリン)、ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ)ら世界的名手が来日。また日本人では、望月京(みさと)の新作を世界初演する諏訪内晶子(ヴァイオリン)のほか、反田恭平を筆頭に、北村朋幹、阪田知樹(以上ピアノ)、木嶋真優、成田達輝(以上ヴァイオリン)、北村陽(チェロ)、児玉隼人(トランペット)ら旬の若手も多数登場する。

 プログラムと併せてヴァイグレの任期が3年間延長されることも発表になった。25年3月末までの任期が3年間延長され、28年3月末まで現在のポストを担うことになる。

 豪華アーティストが目白押しの読響の新シーズン。どの公演に行こうか迷ってしまうほど見どころ・聴きどころにあふれている。今から開幕が待ち遠しい。

読売日本交響楽団
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