20周年! フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024 ラインナップ記者発表会

左より:廣岡克隆、望月正樹、福田紀彦、小川典子、松居直美、宮本貴奈

 フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024のラインナップ記者発表会が3月26日、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、福田紀彦川崎市長、松居直美(オルガニスト、同ホールアドバイザー)、小川典子(ピアニスト、同ホールアドバイザー)、宮本貴奈(ピアニスト/作・編曲家、同ホール 新ホールアドバイザー)、廣岡克隆(東京交響楽団 楽団長)、望月正樹(日本オーケストラ連盟 事務局次長)が出席。同ホール チーフ・ホールアドバイザーの秋山和慶は風邪のため欠席した。

 日本トップレベルのオーケストラが集う音楽祭として2005年にスタートしたフェスタサマーミューザ KAWASAKIは今年で20回目の開催となる(7/27~8/12)。テーマを「夏音(サマーミューザ)!ブラボー20周年」とし、川崎市フランチャイズオーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の9団体に加え、佐渡裕が率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団、9年ぶりの吹奏楽枠として浜松国際管楽器アカデミー&フェスティヴァル ワールドドリーム・ウインドオーケストラが出演。合計11の団体が日替わりで競演する。

 開催へ向けて、福田市長は次のようにコメント。
「川崎市は今年で市制100周年。80周年を記念して建設されたミューザ川崎シンフォニーホールも20年の節目を迎えます。
 次の100年を見据え、川崎が将来にわたって持続可能な土地であり続けるためにも、誰もが音楽を身近に親しむことができ、人々が繋がりあえるまちづくりを進め、良質な演奏を提供することによって、国内のみならず世界に向けて川崎の魅力を発信し続けたいと思います」

福田紀彦川崎市長

 今年の公演ラインナップには、各団体におけるシェフ級の指揮者が多く名を連ねた。
 オープニングはジョナサン・ノット&東響。昨年、交響曲第3番&第4番で新鮮なチャイコフスキーの解釈を聴かせたこのコンビが、今年は同作曲家の交響曲第2番「小ロシア」&第6番「悲愴」に挑む(7/27)。読響を指揮するのはサマーミューザ初登場の沖澤のどか。京響の常任指揮者、サイトウ・キネン・オーケストラの首席客演指揮者就任と躍進が止まらない沖澤のタクトで、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(オルガン:大木麻理)などを披露する(7/31)。都響は終身名誉指揮者の小泉和裕とともに、モーツァルトの交響曲第40番、ブラームスの交響曲第1番という王道作品を取り上げる(8/1)。新日本フィルを振るのは2024年末での引退を表明している井上道義。自身最後のサマーミューザのステージは、かつて音楽監督を務めた同楽団とマーラー交響曲第7番で締めくくる(8/2)。

 日本フィルはフレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一の指揮で、チャイコフスキーの交響曲第5番、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(独奏:服部百音)など、名曲中の名曲を披露(8/9)。東京シティ・フィルは首席客演指揮者の藤岡幸夫と登場。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(独奏:務川慧悟)、ホルスト「惑星」で熱いステージをみせる(8/11)。フィナーレを飾るのは東響と正指揮者・原田慶太楼。邦人作品の紹介を続ける原田による吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ組曲第2番」と、伊福部昭の協奏風狂詩曲(ヴァイオリン:川久保賜紀)は必見。また、最新技術を駆使したバーチャルピアニストとの共演という前代未聞のパフォーマンスも予定されている(8/12)。

 また、アニバーサリーの作曲家を取りあげる公演も多い。
  N響&沼尻竜典は、生誕150年のシェーンベルクが編みなおしたブラームスのピアノ四重奏曲第1番などを(8/4)、神奈川フィルはオペラの分野でも活躍する園田隆一郎の指揮で、生誕100年の團伊玖磨&没後100年のプッチーニのオペラ作品にフィーチャー(8/8)。東京フィル角田鋼亮とともに、没後120年のドヴォルザークを特集する(8/10)。

 初登場の兵庫芸術文化センター管弦楽団は、シェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」、2018年のミュンヘン国際音楽コンクールを制したセリーナ・オットが独奏を務めるアルチュニアンのトランペット協奏曲などを、芸術監督・佐渡のタクトで披露(8/5)。世界中から集まった若い演奏家で構成され、アカデミーの性格も持つ同楽団ならではのフレッシュな演奏に期待したい。
 サクソフォンの須川展也ら国内外のトッププレイヤーたちによる浜松国際管楽器アカデミー&フェスティヴァル ワールドドリーム・ウインドオーケストラは、吹奏楽経験者でもある原田が指揮する。世界レベルのスーパープレイを堪能する貴重な機会になりそうだ(8/3)。

 昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワでの「出張サマーミューザ@しんゆり!」は、より幅広い世代がカジュアルに楽しめるコンサートに。中田延亮&神奈川フィルは映画音楽特集(8/10)を、今年指揮者生活60年の秋山東響とともにチャイコフスキーの三大バレエなどを演奏する(8/3)。
 恒例の「サマーナイト・ジャズ」(7/28)、オルガンで楽しむ「真夏のバッハ」(8/3)、小川典子がライフワークとする子どもたちのためのコンサート「イッツ・ア・ピアノワールド」(7/28)も開催。

 暑い夏をさらにアツく彩るフェスタサマーミューザ KAWASAKI。20回目の盛り上がりに期待せずにはいられない。

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2024
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/