【CD】外山雄三自作自演集Vol.2 /外山雄三&大阪響

 昨夏92歳で亡くなった外山雄三と大阪交響楽団による貴重な自作自演集の第2弾は、2つのヴァイオリン協奏曲。ソロはいずれも同楽団首席ソロコンサートマスター森下幸路で、理想的なすばらしさ。西洋の作曲技法や構成の中に、日本の音楽の要素や感覚が横溢する外山作品の魅力を、森下はこの上ない水準とバランスで奏でる。ヴァイオリンらしい濃密な音色、鮮やかな技巧、そこに様々な形で現れる和の心の表情。ライブながら完成度も高く、長くスタンダードとなるはず。晩年の外山の指揮の重厚さは未踏の境地にあり、「ラプソディ」の巨大な「八木節」には畏怖を覚えるほど。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2024年4月号より)

【information】
CD『外山雄三自作自演集Vol.2 /外山雄三&大阪響』

外山雄三:ヴァイオリン協奏曲第1番、同第2番、管弦楽のためのラプソディ

外山雄三(指揮)
大阪交響楽団
森下幸路(ヴァイオリン)

収録:2018年2月、ザ・シンフォニーホール(ライブ) 他
キングインターナショナル
KKC 2717 ¥3300(税込)