Apple Music Classical プレス発表会に佐渡裕、村治佳織が登場

 アップルは、クラシック音楽専用のストリーミングサービス「Apple Music Classical(アップル ミュージック クラシカル)」の日本版アプリケーションを1月24日から提供開始する。これに先駆け、22日、Apple 表参道にてプレス発表会を行い、アーティストアンバサダーを務める指揮者の佐渡裕、ギタリストの村治佳織らが参加した。

左:村治佳織 右:佐渡裕

 Apple Music Classicalは、Apple Musicのサブスクリプションの登録者であれば追加費用なしで利用できる独立したアプリ。最大の特徴は、500万以上の楽曲ラインナップと最適化された検索機能。研究チームが7年以上の歳月をかけて作成した楽曲情報データにより、作曲家、作品名、楽器、時代などのキーワードから特定の音源にアクセスできる。また、世界トップクラスのアーティスト、インフルエンサーが監修した700以上のプレイリストが用意されていることも要注目。その他、ウィーン・フィルやベルリン・フィル、メトロポリタン歌劇場など、この分野を代表する団体がパートナーを務めており、ウィーン・フィルに関しては、今後5年間にわたって定期公演の新しい録音が独占公開される予定。
 日本では、サントリーホール、Bunkamura オーチャードホールや東京フィル、新日本フィルなどの団体がパートナーを、佐渡、村治のほかにピアニストの角野隼斗もアーティストアンバサダーを務める。
 
 オーディオ品質は最大192kHz/24ビットのハイレゾロスレス、また、ドルビーアトモスによる空間オーディオで楽しめる音源も多数。

 村治は「以前リリースしたバッハのアルバムを聴いてみたところ、レコーディングした時のホールでの響きに近いものが感じられて嬉しくなりました。スピーカーは目の前で演奏しているような響きを味わえますが、このアプリでの音は、ステージにいる奏者たちの真ん中で聴いているような感覚です」とコメント。

 佐渡はこのアプリへの強い期待を語った。
「クラシック音楽の敷居はなるべく低く、その先にある大きな感動を体験できる、というのが理想。Apple Music Classicalはこの理想を実現してくれそうな気がします。新しい歴史の始まりを感じさせます」

 会場では角野のビデオメッセージも公開された。
「今の時代を象徴する、そして今の時代に必要なテクノロジーで、クラシック音楽により多くの人がアクセスしやすくする、本当に魅力的なアプリだと思います。私を含めたたくさんのファンが、クラシック音楽の豊かな世界を体験できることにワクワクしています」

角野隼斗

 また、チェリストのヨーヨー・マもメッセージを寄せた。
「クラシック音楽とはたんに『サウンド』や『ヨーロッパの音楽』ということではなく、『アイディア』なのです。『アイディア』とは、先人たちが国家の建設や経済を推し進めた原動力そのもの。このアプリによってその原動力が生まれた当時の瞬間を見ることができるのです。クラシック音楽の長い歴史を行き来するタイムトラベルへあなたを連れ出してくれるでしょう」

 その後、村治のギター演奏も披露され、華を添えた。

 発表会の後にはプレス向けにデモ版体験の時間が設けられた。短い時間ではあったが、実際に体験してみると確かに日本語表記が多くわかりやすい。さらに、作曲家や演奏家についての紹介文も読むことができる(すべてではないかもしれないが)。

 クラシックファンは、音楽を聴くときに、作曲家、演奏家、時代などさまざまな要素の中から選択をしている。その検索性においてはこれまでのサービスと比較してかなり向上しているように感じられた。
 ただ楽器編成や演奏者、曲に関する情報など聴いている中で気になってくることも多数あるのがクラシックの特徴でもある。その辺りのこのジャンル特有のニーズにどのくらい応えてくれるのか、明日のリリースを期待して待ちたい。

写真提供:アップル

Apple Music Classical
https://apps.apple.com/app/id1598433714