ロシアゆかりのマエストロによるラフマニノフ傑作選
ポリャンスキーが九州交響楽団の指揮台に立つのは、これで3度目。これまでチャイコフスキーやリムスキー=コルサコフなどのロシア音楽を、優雅にして雄弁な表現力で奏で、九州の音楽ファンを魅了し続けてきた。
ロシアの巨匠と九響との相性は抜群だ。指揮者のもつ卓抜な色彩感覚が、オーケストラの柔らかな音色とマリアージュ。まるで絹本着色の絵画を思わせるような深みや温かさまで感じられる音楽を導き出したのだった。
今回彼らが挑むのは、今年生誕150年を迎えたラフマニノフ。前半の「パガニーニの主題による狂詩曲」には、牛田智大が登場する。12歳で本格的にデビューした神童ピアニストは、モスクワ音楽院の教授などにも学び、今や24歳。目まぐるしく変化していく変奏曲で超絶技巧を華麗に交えたパフォーマンスが期待できよう。
そして、交響曲第2番。流れるような旋律美にドラマティックな構成、ロシアの交響曲の頂点ともいえる作品だ。ポリャンスキーと九響のコンビによる一つの到達点ともなる演奏を聴かせてくれるのではないか。
福岡の地は遠いという方のために、九響はインターネットによるライブ配信も行う予定だ。これを機会に、彼らの奏でる極上のロシア音楽を体験して欲しい。
文:鈴木淳史
【Information】
九州交響楽団 第417回 定期演奏会
2023.11/9(木)19:00 アクロス福岡シンフォニーホール
指揮:ヴァレリー・ポリャンスキー
ピアノ:牛田智大
●曲目
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 作品43、交響曲第2番 ホ短調 作品27
●料金
S席¥5,700 A席¥4,700 B席¥3,600 学生席¥1,500 車椅子席(限定4席)¥3,600円
問 九響チケットサービス092-823-0101
http://kyukyo.or.jp
https://curtaincall.media/kyushusymphony(配信)