京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクト Vol.4
ワーグナー生誕210年×没後140年 『ニーベルングの指環』より(ハイライト・沼尻編)

マエストロの特別なセレクトで聴くオール・ワーグナー・プログラム

沼尻竜典

 京都コンサートホールと京都市交響楽団による共同プロジェクト第4弾は、沼尻竜典の指揮によるオール・ワーグナー・プログラム。沼尻とワーグナーといえば、彼がびわ湖ホール第2代芸術監督時代に主要オペラ10作品をすべて上演したという偉業が記憶に新しい。このシリーズでも何度もタッグを組んだ京響と、今度はオケの本拠地である京都コンサートホールに場所を移して、大きな話題を呼んだ《ニーベルングの指環》を含むワーグナーの世界を再び描き出す。

 プログラムはすべて沼尻自身が選んだもの。まず《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲で幕をあける。続く《トリスタンとイゾルデ》から〈前奏曲〉と〈愛の死〉も、オーケストラの分厚い響きがたまらない。そして後半は《ニーベルングの指環》から「沼尻編」としてハイライト版が演奏される。ソプラノのステファニー・ミュターとバリトンの青山貴のふたりは、沼尻が信頼を寄せる歌手。ワーグナー・ファンならずとも聴いておきたい好企画といえるだろう。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2023年11月号より)

2023.11/18(土)14:30 京都コンサートホール
問:京都コンサートホール075-711-3231 
https://www.kyotoconcerthall.org