Tag Archive for ピアノ

【CD】プロミス―PROMISE―/小田桐寛之

 都響の首席トロンボーン奏者、小田桐寛之の7枚目のソロCD。日本屈指の個人技もむろん満喫できるが、一部編曲も担当する妻のピアノ、米国でジャズを中心に活躍する息子のパーカッション、元・同僚のトロンボーンがコラボした、ファミリー・セッションの妙に魅せられる。クラシックからピアソラ、宮沢賢治の曲まで、構成は全くのボーダーレス…

【CD】チマローザ:宮廷楽士長&ペルゴレージ:奥様女中/佐藤征一郎

 17〜18世紀のイタリアで、シリアスなオペラの幕間に息抜きとして上演され人気を博した「インテルメッツォ」。その有名な2作品に挑んだ、日本の名バスバリトン佐藤征一郎による絶頂期(1984年)のライヴ録音が登場。オーケストラの練習風景を各楽器奏者と格闘するマエストロの視点で描いた一人芝居《宮廷楽士長》はイタリア語、小間使…

【CD】Három barátnak〜コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8 他/川上徹

 新日本フィルのフォアシュピーラーを務める傍ら、サイトウ・キネン・オーケストラへの参加やソリストとしても活躍する川上徹のコダーイ「無伴奏」。派手な技巧で華麗に弾き飛ばす演奏もままある中、ここでの川上は卓越した技巧を遠心の方向ではなく腰の据わった求心のベクトルへ向ける。その音楽は落ち着きがあり、そして音楽の表情に実に深み…

【CD】シューベルト:4つの即興曲、ショパン:ピアノ・ソナタ第3番/有吉亮治

 ジュネーヴに留学し、現在はソロに室内楽に活躍する有吉亮治のデビュー盤。つぶやくように力なく始まった葬送行進曲が、フレーズごとに強さを増しながらテクスチュアを膨らませるシューベルトの即興曲第1番。出だしから楽譜を深く読む思慮、それを的確に音にする技量を感じる。ショパンのソナタ第3番では構成感を捕まえて、フィナーレに向か…

ミハイル・プレトニョフ(ピアノ)

ベートーヴェン、リストからプレトニョフへ 再び、ピアノを弾くことの喜びを  「ピアニスト=プレトニョフの時代は、ほぼ終わりました」。2012年夏、ロシア・ナショナル管弦楽団を率いて来日したミハイル・プレトニョフは静かに、きっぱりとそう語っていた。一時代を画すほどの名手が──という聴き手の嘆きはしかし、その翌年には晴らさ…

【CD】山根弥生子 20世紀音楽を弾く

 何とも意欲的な1枚。その曲目はヒンデミット、バルトーク、プロコフィエフにメシアン、そしてヤナーチェク。収録曲はどれも技術的、あるいは音楽的な内容の表出において難易度の高いものばかりだが、ここで山根は技術的な余裕をもって極めて懐の深く包容力のある音楽を奏でている。この演奏で聴くと、乾いていると思われがちなヒンデミットの…

【SACD】日本の心を歌う/中井亮一

 イタリアで研鑽を積み“ロッシーニ歌い”としても活躍する“旬”のテノールが、本格的デビュー盤に敢えてこのテーマを選んだだけあって収録曲が秀逸。曲によっては過去の偉大な先輩歌手へのオマージュを垣間見せているのも心憎い。幕開けの14篇(北原白秋×平井康三郎の歌曲集「日本の笛」より)から日本的な歌い回しに魅了される。かの童謡…

【追悼】イェルク・デームス(1928-2019)

すべて暗譜。作品の真実を知らしめ、作曲家の魂に寄り添う演奏  親日家として知られ、日本にも多くのファンをもつピアニストのイェルク・デームスが、2019年4月16日に亡くなった。享年90。フリードリヒ・グルダ、パウル・バドゥラ=スコダとともに「ウィーンの三羽烏」と呼ばれ、世界各地で幅広く活躍した。  デームスは1928年…

【CD】片山敬子 プレイズ シューマン、ベートーヴェン、ショパン

 ライナー筆者の「改めて演奏とは何かを考えさせられた」という言葉を噛みしめる。半世紀近い活動で自らの音楽を深め続けるピアノの名匠、片山敬子の練達の技が詰まった新譜。肩肘張らずとも十分な質感があり、精妙な和声感と流麗な流れで、ベートーヴェンがあたかもシューベルトのように響く。ショパンも力みの抜けた歌と淡いロマンが、メンデ…

村田 望(ソプラノ) ヴォーカルリサイタル Vol.10

バッハのカンタータからオペレッタ、ミュージカルまで色とりどりの歌を  モーツァルトのオペラへの出演から、宗教曲やオラトリオのソリスト、ミュージカルなど、幅広い舞台経験を持ちつつ、フリーアナウンサーとしてテレビやラジオのパーソナリティ、ナレーションなどでもマルチな才能を発揮するソプラノ、村田望。これまでに神奈川県民ホール…