繰り出す音の一つひとつに生命力を与え、深みある音楽を聴かせるピアニスト、マリオ・ヘリング。巨匠バドゥラ=スコダが絶賛したその才能により、リーズ国際ピアノコンクール第2位をはじめ、数々のコンクールで優勝・入賞を重ねてきた。ヴァイオリニストの両親は、父がドイツ人で母は日本人。ハノーファーで生まれベルリンで育ったヘリングは、今年35歳。これまでに独奏はもちろん、室内楽やオーケストラの弾き振りなど数々のステージで聴衆を湧かせ、録音のリリースにも積極的だ。
そんなヘリングが「恍惚の音楽」をテーマに「日経ミューズサロン」に登場する。ドビュッシー「喜びの島」やワーグナー=リスト「イゾルデの愛の死」といった魅惑的な作品のほか、ベートーヴェンの瑞々しい初期のソナタ第6番もプログラミング。また、生彩に富んだ演奏を聴かせる石上真由子とのデュオで、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」も披露する。熱量の高いステージとなりそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2024年11月号より)
第552回日経ミューズサロン マリオ・ヘリング ピアノ・リサイタル
2024.11/25(月)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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