Tag Archive for ピアノ

【CD】マリンバのための協奏曲集/布谷史人

 世界的に活躍するマリンバ奏者布谷史人の新アルバムは、テイストの異なる3曲を収録。ヴィヴァルディの協奏曲はリコーダーのための可愛らしい曲だが、玉を転がすようなコロコロとしたマリンバの音色に移すという発想がうまくはまった一例。セジョルネの協奏曲は中低音域の深い音色が、弦のラテン風の情熱や哀愁に厚みを加える。布谷のために書…

【CD】フランク&ヴィエルヌ ヴァイオリン・ソナタ集/イブラギモヴァ&ティベルギアン

全編期待を裏切らぬ出来栄え。フランクは特に第1楽章が秀逸で、ゆったりと間を取ったティベルギアンの幻惑的な前奏に続き、イブラギモヴァが放つ香気漂う音色が素晴らしい。この楽章全体でデュナーミクをかなり抑え気味にしているが、終始ノーブルな表情を纏ったその演奏はあらゆる同曲の演奏中でも最高位に置かれるべきもの。本CDでもう1つ…

大澤美穂(ピアノ)

セカンド・アルバムは憧れの作曲家ショパンの名作を集めて  ピアニストの大澤美穂は桐朋学園大学、同大学研究科を経て、ブリュッセル王立音楽院を修了。ベッツィ・ディオングル賞ピアノコンクール(ベルギー)第1位や第10回園田高弘賞ピアノコンクール第2位をはじめ、国内外で多くの上位入賞を果たしている。幅広いレパートリーを活かした…

【CD】ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番/反田恭平

 変幻自在な表現力と深い精神性。左右の指がユニゾンで主題を奏でる、協奏曲冒頭の24小節を聴いただけで反田恭平の非凡さを思い知らされる。反田は高校在学中に日本音楽コンクールで優勝、現在はショパン音楽大学で学びつつ、精力的に演奏活動を展開する注目の俊英。かつてはサッカー少年で、手首を骨折した経験も。“英才教育”と無縁だった…

【CD】市川高嶺 ピアノ・リサイタル ―ライヴ イン 東京2018―

 桐朋学園大学、同大学研究科を終了後、パリ・エコール・ノルマル音楽院で研鑽を積んだ市川高嶺。本盤は、ソロはもちろん室内楽でも幅広く活躍する彼女が昨年の8月に東京文化会館で行ったリサイタルのライヴ録音となっている。バッハやシューマン、ドビュッシーなどバラエティに富む選曲で、市川の多彩なピアニズムが存分に味わえる。フランス…

伊藤 恵(ピアノ)

円熟の時を迎え、今ベートーヴェンの後期ソナタと向き合う  20年かけてシューマンのピアノ曲全曲を弾き、さらにそのあと約10年間シューベルトに取り組んできた伊藤恵が、現在あらためて向き合っているのがベートーヴェンのピアノ・ソナタだ。CDのリリースと並行して、昨年からベートーヴェンを中心とする年1回のリサイタル・シリーズ「…

【CD】ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集 vol.3/カントロフ&上田晴子

 2012年にヴァイオリニスト活動を休止した巨匠カントロフ。幸いにも17年に活動再開し、この2〜3月には日本ツアーで新境地を聴かせてくれた。当盤は活動休止前に収録したベートーヴェン・ソナタ全集の完結編。緊張感を内包しつつあえて淡々と進みながら、大事な瞬間では凄まじい切れを見せ、居合の達人とでも例えたくなる無二の世界観を…

アレクセイ・ヴォロディン(ピアノ)

チャイコフスキーの隠れた名作コンチェルトを聴いてください!  アレクセイ・ヴォロディンは、ロシア出身の情熱的でスケールの大きな演奏をするピアニスト。モスクワ音楽院でジョージア出身の名ピアニストであり、名教授であるエリソ・ヴィルサラーゼに師事し、常に作曲家の魂に寄り添う演奏を行う精神を伝授された。その演奏は非常に手首がし…

【CD】シュトラウス&フランク/瀬﨑明日香&エマニュエル・シュトロッセ

 「シュトラウスが“歌”ならば、フランクは“詩”…」と、瀬﨑明日香は言う。東京藝大からパリ国立高等音楽院に学び、日本音楽コンクール優勝など、国内外の登竜門で実績を重ねた気鋭のヴァイオリニスト。前作から約10年、満を持しての録音で「自分に最も近い作品」へ対峙した。同時期に書かれながらも、全く雰囲気を異にする2曲だが、濃密…

【CD】ポーランドの歌 ショパン・チェロ作品集 /桑田歩

 NHK交響楽団の首席代行奏者を務めつつ、同楽団のチェリスト4人からなるラ・クァルティーナのメンバーとしても活躍中の桑田歩が、若き閨秀・尾崎未空の好サポートを得て録音したショパン集。リストによるピアノ独奏版でも名高い「悲しい河」など歌曲5曲を自ら編曲して導入部とし、ショパンが残した5つの室内楽曲のうち、チェロとピアノの…