Tag Archive for ピアノ

【CD】グラナドス「ゴイェスカス:恋するマホとマハたち」 /上野範子

 このグラナドス作品集がデビュー盤となる上野範子は、ソロのみならず室内楽奏者、教育者としても地道に活動を続けるピアニスト。マドリッドの粋な男女の姿を描いた「ゴイェスカス」全6曲は、ブリリアントな音色と、陰影を思わせる温かな響きとのコントラストが鮮やかで、細部まで行き届いた精彩な表現。「ゴイェスカス」への布石となった小品…

【SACD】ディアーナ/平澤真希

 タイトルの「ディアーナ」とは静慮、禅那を意味するサンスクリット語。1曲目のスクリャービン「アルバムの綴り」から、研ぎ澄まされた一音一音の生成、減衰を聴き取らせる間合いなど、繊細かつ自然な音楽作りで聴き手の集中力を覚醒させる。平澤真希は、「愛の夢」「トロイメライ」など、いわゆる名曲を選んではいるが、“光”のみならず“影…

【CD】カウンターテナーによる「冬の旅」/本岩孝之

 フィッシャー=ディースカウやプライなど名バリトンからコントラルトのシュトゥッツマンまで様々なタイプの名唱で歌い継がれてきた「冬の旅」だが、ついにカウンターテナーによる決定盤が登場。歌い手の本岩孝之は現代曲からヒップホップ系まで異例のレパートリーを誇り、低い方はバリトンまで4オクターヴの脅威の音域の持ち主。半信半疑だっ…

【CD】山田耕筰ピアノ作品集「子供と叔父さん(おったん)」/杉浦菜々子

 子供の日常を温かい目で描写した「子供と叔父さん」(1916)の楽譜表紙絵を用いたジャケットに導かれ、大正時代にタイムスリップ。すると聖歌やショパン、さらにはドビュッシーやスクリャービンに至る語法を貪欲に消化しながら、日本的な独自性をミックスし新しい器楽の世界を切り開こうとした山田耕筰の試みの同時代性が、鮮やかに浮かび…

青柳 晋(ピアノ)

ベートーヴェン最後の2曲に勇気を持って臨みます  青柳晋の自主企画リサイタルシリーズ「リストのいる部屋」は、今年で13回目となる。今回から会場をHakuju Hallに移し、2018年はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番と、リストの「巡礼の年 第2年『イタリア』」を、来年はソナタ第32番と、「巡礼の年 第1年『スイ…

オリ・ムストネン ピアノ・リサイタル 〜プロコフィエフの神髄を聴く〜

鬼才ピアニストが向けるプロコフィエフへの眼差し  指揮者、作曲家、演奏家というように音楽家の役割がはっきりと分業化し、加速したのは近代にいたってからのこと。かつては創作から実演までの一切を引き受ける音楽家像は特別なものではなかったが、近現代以降の複雑な音楽作品や、多面的で大規模なコンサート・シーンにおいては、現実的に容…

平澤真希(ピアノ)

瞑想を通して深まり、静まっていく感覚を大切にして弾きました  東京音楽大学を経てワルシャワのショパン音楽院(現ショパン音楽大学)大学院を最優秀首席で卒業したピアニストの平澤真希。日本やポーランド各地で幅広く演奏活動を行う彼女が新譜『ディアーナ』をアールアンフィニ・レーベルよりリリースする。 「音を通して自分と対話する感…

上野優子(ピアノ)

プロコフィエフの“響きの広がり”をお楽しみください  上野優子は桐朋学園大学2年次在学中に渡欧、イモラ国際ピアノアカデミー、パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科コンサーティスト課程で研鑽を積んだピアニスト。幅広いレパートリーを持ち、多彩なアイディアに富んだプログラムによるコンサートで多くの聴衆を魅了してきた彼女は、昨年…

岩崎洵奈(ピアノ)

バラードはショパンの“人生”のようなものだと思います  ウィーンと日本を拠点に幅広い演奏活動を展開するピアニストの岩崎洵奈。アルゲリッチから「自然で美しい演奏」と高い評価を受け、2010年のショパン国際ピアノコンクールではディプロマ賞を獲得するなど、ショパンは彼女にとってなくてはならない存在。そんな彼女がショパンのバラ…

エリソ・ヴィルサラーゼ(ピアノ)

ショパンはいかに自由に弾くかが難しいのです  エリソ・ヴィルサラーゼと日本の音楽好きとの絆は、ここ数年のうちにもますます深まっている。この夏には小林研一郎指揮読響とベートーヴェン「ハ長調協奏曲 op.15」を共演、揺るぎない存在感をもって豊かな内実を示し、霧島国際音楽祭でも指導と演奏を行った。  10月に故郷トビリシで…