Tag Archive for ピアノ

〈歌曲の森〉〜詩と音楽 Gedichte und Musik〜第23篇 クリストフ・プレガルディエン(テノール) & ミヒャエル・ゲース(ピアノ)

名匠が映し出すシューマンの光陰  都心部にあっても喧騒とは無縁のトッパンホール。室内楽ファンにこよなく愛される“音の小空間”であり、名物企画『歌曲の森』も、はや23回目という。この11月には、ドイツのテノール、クリストフ・プレガルディエンが、ピアノのミヒャエル・ゲースと組んでシューマンの夕べを開催。プレガルディエンの明…

小川典子(ピアノ/浜松国際ピアノコンクール審査委員長)

世界に羽ばたくピアニストを浜松から送り出したい  10回目の開催を迎え、世界でますますその存在感を大きくしている浜松国際ピアノコンクール。昨年、同コンクールをモデルとした恩田陸の小説『蜜蜂と遠雷』が直木賞を受賞。今秋は、より幅広い層からの注目を集めた開催となりそうだ。  今回からは、小川典子が審査委員長に就任。1987…

山中千尋(ピアノ)

ジャズに生まれ変わったクラシックの名曲たち  ニューヨークを拠点に活躍するジャズ・ピアニストの山中千尋が、クラシック曲を斬新にアレンジし、自身のトリオで演奏したアルバム『ユートピア』をリリースした。桐朋学園大学を経てバークリー音楽大学に留学、高度な技術に裏打ちされたプレイでファンを魅了する山中だが、当盤はあらゆる音楽や…

【CD】ナイトフォール/アリス=紗良・オット

 明確なコンセプトに基づく絶妙なプログラミングのディスクを発表し続けるアリス=紗良・オットの新作には、直接的に“夜”を描いた作品はもちろん、心静かに聴きたい作品が並ぶ。「夜のガスパール」ではオットの高い技巧が存分に発揮され、彼女の持ち味であるクリアな音色も相まって、非常に立体的な演奏に仕上がっている。特に「オンディーヌ…

長富 彩(ピアノ)

渾身のラフマニノフ、そして数々の名曲たちに浸る一日  近年ますます成熟を深めているピアニストの長富彩が、11月2日に浜離宮朝日ホールにて昼・夜2回公演のリサイタルを行う。ランチタイムは「古典派からロマン派への転遷」と題された名曲プログラム、そして夜はオール・ラフマニノフ・プログラムだ。 「年に一度は、いつもより重い課題…

【CD】小沢麻由子 プレイズ ドビュッシー

 小沢麻由子の新譜は没後100年となるドビュッシーの作品集。傑作「前奏曲集」第1巻全曲をアルバム前半に収め、後半はドビュッシーの最初期の作品「ボヘミア風舞曲」から、最後のピアノ曲「燃える炭火に照らされた夕べ」まで、珍しい小品も含む10曲。音域・声部によって、硬質な響きと暖色系のタッチとを鮮やかに使い分け、極めて明晰に、…

岡崎耕治(ファゴット) & 岡崎悦子(ピアノ) デュオリサイタル

長年のパートナーが繰り出す絶妙なデュオの悦び  楽壇きっての“おしどり夫婦”が紡ぐ音色が、幸せを運んでくる。わが国を代表するファゴットの名匠・岡崎耕治と、その妻であり、国内外の檜舞台で名演を重ねてきたピアノの名手・岡崎悦子。今回のリサイタルでは、ラフマニノフやダンヒルなど、デュオでの佳品に加えて、悦子のソロによる名曲も…

ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)

私の心の叫びを演奏に託したい  ヴァレリー・アファナシエフは演奏する作品を徹底的に研究し、何年間もかけてその内奥を探求し、完全に作曲家と一体化した時点で演奏を世に送り出す。録音も同様である。 「私は聴いてくださる方たちの心の奥深くへ届く音楽を演奏したいと思っています。表面的な演奏や、やたらに自分の存在を前面に押し出す演…

【SACD】ドビュッシー:前奏曲集第1巻、サティ:グノシェンヌ&ジムノペディ/ファジル・サイ

 ファジル・サイによる、同時代のパリに生きたドビュッシーとサティの録音。「前奏曲集」第1巻では、自ら作曲もするサイらしく、深い色を持つドビュッシー独特のハーモニーをたっぷり響かせながら、円熟期の作品の美点を浮き彫りにしていく。ミステリアスに奏される「帆」や、轟々と鳴らされる低音が印象的な「沈める寺」など、感性が光る。一…

ヴァンサン・ラルドゥレ(ピアノ)

“ラヴェル直系”の芳しきピアニズム  ヴァンサン・ラルドゥレは、その変幻自在なプレイが、オーケストラの圧倒的な表現力や絵画のパレット上の色彩にも例えられる、フランスの名ピアニスト。ドビュッシーとラヴェルを大枠に、リストとショパンを配した来日リサイタルで、フランス・ピアニズムの真髄を伝えてくれる。  国立リュエイユ・マル…