Tag Archive for テノール

笛田博昭(テノール)

最高の声が最高に熟したタイミングで、最高の伴奏者と  不思議な縁だ。筆者はこのインタビューの依頼を受ける直前まで、あるホールで笛田博昭の歌に酔っていた。倍音を伴った圧倒的で質感の高い響きから整ったフォームまで、すべてが従来の日本人テノールを超えている。リサイタルが待ち遠しい──と思った矢先、当人に抱負を聞く任を賜ったの…

【SACD】日本の心を歌う/中井亮一

 イタリアで研鑽を積み“ロッシーニ歌い”としても活躍する“旬”のテノールが、本格的デビュー盤に敢えてこのテーマを選んだだけあって収録曲が秀逸。曲によっては過去の偉大な先輩歌手へのオマージュを垣間見せているのも心憎い。幕開けの14篇(北原白秋×平井康三郎の歌曲集「日本の笛」より)から日本的な歌い回しに魅了される。かの童謡…

神奈川県民ホールオープンシアター2019

美しいバレエやアイディア満載のアートを家族で体験!    神奈川県民ホールで開催される6月の「オープンシアター2019」の内容が盛りだくさんで興味深い。同ホールと、KAAT神奈川芸術劇場、神奈川県立音楽堂の3つのホールで実施されている企画で、公演鑑賞はもちろん、体験や見学、レクチャー・トークなど様々な角度から…

福井 敬(テノール) × アントネッロ(古楽アンサンブル) 海を渡るINISHIEの楽 〜大航海時代の音楽〜

ルネサンス・バロック期、海を越えて日本へと伝播した音楽に想いを馳せる  日本のトップ・テノールである福井敬と、古楽(特に中世〜初期バロック)という分野で斬新な演奏を繰り広げてきたアンサンブル「アントネッロ」。両者のぶつかり合いと融合から生まれたCD『アマリッリ麗し』(OMF/2017年リリース)に驚いた方も多かったろう…

ジョン・健・ヌッツォ(テノール) リサイタルツアー2019

洗練を増した声、自在になった歌で、いよいよウィーンを歌う  「最近、ヌッツォがいいよ!」という声を、ここ2、3年よく耳にする。そのたびに筆者も首肯する。もちろん、ヌッツォは以前から抜群の知名度を誇る。2000年にウィーン国立歌劇場にデビューし、その後、ザルツブルク音楽祭やメトロポリタン歌劇場などで活躍した記憶もいまだに…

ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)

MET《椿姫》のアルフレードでロールデビュー  1996年、23歳の時に、ロッシーニ・フェスティバルで蘇演された《マティルデ・ディ・シャブラン》を病気で降板した歌手の代役として衝撃のデビューを果たしたファン・ディエゴ・フローレス。以来、ロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティなどのベルカント・オペラの超難役で、世界中のオペ…

マルセロ・アルバレス(テノール) スペシャル・コンサート&リサイタル

力強く劇的なのに美しい歌を聴かせる稀有なテノール  2011年、東日本大震災直後で歌手のキャンセルが相次いだボローニャ歌劇場公演で、急遽代役として《カルメン》に出演、すばらしいドン・ホセを歌って日本人に勇気を与えてくれたマルセロ・アルバレス。待ち望まれた来日が8年ぶりに実現する。筆者がアルバレスを初めて聴いたのは199…

ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)

パヴァロッティから受け継いだ声は、上等な樽で熟成した上質なワインに  ポスト三大テノールという表現は、もう古いかもしれないが、あえて該当者を挙げるなら、筆頭にくるのはヴィットリオ・グリゴーロを措いてほかにない。13歳のときに羊飼いの少年役で出演した《トスカ》で“共演”して以来、かのルチアーノ・パヴァロッティとの交流が続…

〈歌曲の森〉〜詩と音楽 Gedichte und Musik〜第23篇 クリストフ・プレガルディエン(テノール) & ミヒャエル・ゲース(ピアノ)

名匠が映し出すシューマンの光陰  都心部にあっても喧騒とは無縁のトッパンホール。室内楽ファンにこよなく愛される“音の小空間”であり、名物企画『歌曲の森』も、はや23回目という。この11月には、ドイツのテノール、クリストフ・プレガルディエンが、ピアノのミヒャエル・ゲースと組んでシューマンの夕べを開催。プレガルディエンの明…

トルステン・ケール(テノール) 《魔弾の射手》を語る

 今やトリスタン、ジークフリートをはじめとするワーグナーのヘルデン・テノールの役を世界中で歌うようになったトルステン・ケール。日本では2014年、コルンゴルトの《死の都》の主人公・パウル役で新国立劇場に客演したのが記憶に新しい。その彼がこの7月、「兵庫県立芸術文化センター 佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2018」で、…