Tag Archive for テノール

Hakuju サロン・コンサート vol.5 大槻孝志(テノール) & 小林由佳(メゾソプラノ)

音の職人たちによる音楽のフルコース  欧州で王朝文化華やかなりし時代に、王侯貴族が開いていたサロンのゴージャスな親密感がコンセプトのコンサート・シリーズ第5弾。登場するのは同ホールでIL DEVUリサイタルや「音楽劇紀行」第五夜に出演し、圧倒的な美声を聴かせて会場を魅了したテノールの大槻孝志と、2017年東京二期会《ば…

追悼 ペーター・シュライヤー

In Memoriam Peter Schreier 1935-2019  20世紀を代表するリリック・テノール、ペーター・シュライヤーが昨年12月25日にドレスデンで亡くなった。享年84。天性の美声の上に、正確な音程で、イントネーションもフレージングも清潔。その声を生かしたバッハ、モーツァルト、シューベルトで数々の名…

ステファン・ポップ(テノール)

イタリアの主要歌劇場が奪い合う売れっ子テノールの十八番をいいとこ取り  最近、イタリアの歌劇場が最も頼りにしているテノールで確実に三指に入るであろう、ルーマニア生まれのステファン・ポップ。ストレスなく湧き上がる豊かな声と、簡潔で流麗なフレージングで、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。すでに日本でも2017年に《ノルマ》でマリ…

工藤和真(テノール)

歌の魅力を広めたいと願う、 期待の大型新人がカヴァラドッシ役に挑む  この8月末、東京音楽コンクール声楽部門で最高位に輝き、聴衆賞も得て話題をさらったテノール、工藤和真。中でも、名アリア〈フェデリーコの嘆き〉での悲愴感の塊のような声音が客席を揺さぶったようである。その期待のホープがこの秋、日生劇場の《トスカ》で画家カヴ…

【CD】ベートーヴェン × シューベルト/ジョン・健・ヌッツォ

 2000年にウィーン国立歌劇場デビューを果たし、NHK大河ドラマ『新選組!』テーマ曲の歌唱などでクラシック・ファン以外にも抜群の知名度を誇るテノールの新譜。近年はドイツ歌曲の歌い手としても定評のある彼が、17年に名古屋で行った公演のライヴ録音盤。前半は“楽聖”ベートーヴェンによる愛の歌で、大作「遙かなる恋人に寄す」の…

笛田博昭(テノール)

最高の声が最高に熟したタイミングで、最高の伴奏者と  不思議な縁だ。筆者はこのインタビューの依頼を受ける直前まで、あるホールで笛田博昭の歌に酔っていた。倍音を伴った圧倒的で質感の高い響きから整ったフォームまで、すべてが従来の日本人テノールを超えている。リサイタルが待ち遠しい──と思った矢先、当人に抱負を聞く任を賜ったの…

【SACD】日本の心を歌う/中井亮一

 イタリアで研鑽を積み“ロッシーニ歌い”としても活躍する“旬”のテノールが、本格的デビュー盤に敢えてこのテーマを選んだだけあって収録曲が秀逸。曲によっては過去の偉大な先輩歌手へのオマージュを垣間見せているのも心憎い。幕開けの14篇(北原白秋×平井康三郎の歌曲集「日本の笛」より)から日本的な歌い回しに魅了される。かの童謡…

神奈川県民ホールオープンシアター2019

美しいバレエやアイディア満載のアートを家族で体験!    神奈川県民ホールで開催される6月の「オープンシアター2019」の内容が盛りだくさんで興味深い。同ホールと、KAAT神奈川芸術劇場、神奈川県立音楽堂の3つのホールで実施されている企画で、公演鑑賞はもちろん、体験や見学、レクチャー・トークなど様々な角度から…

福井 敬(テノール) × アントネッロ(古楽アンサンブル) 海を渡るINISHIEの楽 〜大航海時代の音楽〜

ルネサンス・バロック期、海を越えて日本へと伝播した音楽に想いを馳せる  日本のトップ・テノールである福井敬と、古楽(特に中世〜初期バロック)という分野で斬新な演奏を繰り広げてきたアンサンブル「アントネッロ」。両者のぶつかり合いと融合から生まれたCD『アマリッリ麗し』(OMF/2017年リリース)に驚いた方も多かったろう…

ジョン・健・ヌッツォ(テノール) リサイタルツアー2019

洗練を増した声、自在になった歌で、いよいよウィーンを歌う  「最近、ヌッツォがいいよ!」という声を、ここ2、3年よく耳にする。そのたびに筆者も首肯する。もちろん、ヌッツォは以前から抜群の知名度を誇る。2000年にウィーン国立歌劇場にデビューし、その後、ザルツブルク音楽祭やメトロポリタン歌劇場などで活躍した記憶もいまだに…