東京シティ・フィルがクラウドファンディングで目標金額1,000万円の寄付募集を開始

2025年に創立50周年を迎える楽団が危機に直面

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 (c) K.Miura

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団は、クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて、第一目標金額 1,000万円の寄付の募集を開始した。支援募集期間は2021年8月23日(月)〜10月21日(木)までの59日間。 昨年、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの公演が中止となってしまった。現在は活動を再開しているが、収容率50%の入場制限、感染症対策の追加費用がかさむなど収入は激減したままで、演奏活動の継続は大きな代償を伴うものとなってしまっている。年間約4億円かかる運営費のほとんどを、公演のチケット収入や依頼公演の出演料によって賄う必要がある中、相次ぐ公演中止で昨年度の収入は約1憶4千万円まで落ち込み、過去経験したことのない楽団存続の危機といえる莫大な負債を負ってしまった。この先さらなる苦境に立たされることから今回のクラウドファンディング実施に至ったという。

以下、代表理事・楽団長 志田明子、常任指揮者 高関健からの挨拶(クラウドファンディングサイト「READYFOR」より転載)

代表理事・楽団長 志田明子
1975年に東京シティ・フィルが若々しく熱い名乗りを上げた時、先輩や友人が多く関わっていましたので、その熱気と期待感、緊張感は私の記憶に深く刻まれています。それから今日まで46年間、山も谷もありましたが、団員一同「いつも一生懸命」を合言葉として乗り越えてきました。しかし、この度の全世界を襲った感染症による窮状に遭って「一生懸命」だけでは到底乗り越えられない危機に直面しております。
公演会場では、毎回ステージに入る時からあたたかい拍手をいただき、たくさんの応援のメッセージやご支援をいただいて、団員一同心より御礼を申し上げます。そして、これからもずっと東京シティ・フィルの音楽を皆様にお届けしたいと強く願っております。
この挑戦に際し、東京シティ・フィルの存続を懸けて、2025年の創立50周年を皆様とご一緒に迎えるために、お力をお貸しくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(c) Masahide Sato

常任指揮者 高関健
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、常任指揮者の高関健です。いつも演奏会にご来場いただきありがとうございます。
広範な東京の音楽シーンの中にあって、東京シティ・フィルは常に独自の特徴ある活動を続けてまいりました。昨年2月来のコロナ禍に遭いながらも、4か月後の6月には定期演奏会を無観客配信でいち早く再開したことを始めとして、プログラムに工夫を凝らし、積極的な演奏を心掛けております。お陰様で最近の定期演奏会は盛況で、お聴きいただいた皆様から高い評価を頂くようになりました。
しかし困難な状況は続き、出口もまだはっきりとは見えません。私たちは一年半の貴重な経験を通じ、自分たちが演奏することの意味、演奏を皆様にお届けする大切さを身に沁みて感じております。音楽は人間にとって必要不可欠です。 これからも心を込めて最善の演奏を皆様にお届けし続けていきたい。その活動の礎を確実なものとするために、東京シティ・フィルはこの度クラウドファンディングを始めることと致しました。ご賛同いただける皆様からのご支援を心よりお待ち申し上げております。どうぞよろしくお願い致します。

コロナ禍は、収束の出口が見えるどころか、未だ拡大局面を迎えている。「当たり前の日々」が戻ってくるまで、それぞれができる形でアーティストたちを支援していきたい。

【クラウドファンディングプロジェクト概要】
■プロジェクトタイトル:東京シティ・フィル 苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に
■支援募集期間:2021 年 8 月 23 日(月)〜10 月 21 日(木) 59 日間
■第一目標金額:1,000 万円
■資金使途:楽団運営費

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
https://www.cityphil.jp