2022年9月よりファビオ・ルイージ Fabio Luisi がNHK交響楽団の首席指揮者に就任することが発表された。ルイージは、1959年イタリア・ジェノヴァ生まれ。古典から現代までの幅広いレパートリーに加え、オペラにおける実績も豊富。2005年から2013年までウィーン交響楽団首席指揮者を務めたほか、これまでにフィラデルフィア管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団、またメトロポリタン歌劇場やドレスデン国立歌劇場など主要なオペラハウスにも出演、現在はチューリヒ歌劇場の音楽総監督を務めている。日本では、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)やセイジ・オザワ松本フェスティバルなど音楽祭での活躍が目を引く。
契約は2022年9月から3年間。就任に先立ち、今年12月のべートーヴェン《第9》演奏会」を指揮することが予定されている。端正なルックスからは意外とも言えるパッショネイトな指揮姿、音楽創りが魅力。若い世代のメンバーの活躍が目を引くN響の新時代に期待が高まる。
Biography
ファビオ・ルイージ Fabio Luisi
1959年1月17日生まれ。ジェノヴァ出身。チューリヒ歌劇場音楽総監督(2020-21シーズンにて退任予定)、デンマーク国立交響楽団首席指揮者を務める。また2020年7月よりダラス交響楽団音楽監督に就任した。
これまでに、メトロポリタン歌劇場首席指揮者(2011-2017)、ウィーン交響楽団首席指揮者(2005-2013)、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督(2007-2010)、MDR交響楽団芸術監督(1999-2007)、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督(1997-2002)などを歴任。
このほか、イタリアのマルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督も務めている。
また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、NHK交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に客演し、世界の主要オペラハウスにも登場している。
ザルツブルク音楽祭ではR.シュトラウス《ダナエの愛》と《エジプトのヘレナ》を指揮。チューリヒ歌劇場における最も重要な公演には、新プロダクションのベッリーニの3つのオペラ、《リゴレット》、《フィデリオ》、《ヴォツェック》、ヴェルディ《レクイエム》が含まれる。
CD録音には、ヴェルディ《アロルド》、ベッリーニ《清教徒》、《カプレーティ家とモンテッキ家》、ローベルト・シューマンの「交響曲全集」、そしてオーストリア人作曲家フランツ・シュミットの交響曲とオラトリオ《七つの封印の書》などがある。また、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とは数々のR.シュトラウスの交響詩を収録しており、ブルックナー《交響曲第9番》の解釈は高く評価されている。メトロポリタン歌劇場との《ジークフリート》、《神々のたそがれ》の録音ではグラミー賞を受賞。2013年にはイタリア音楽評論家協会より「フランコ・アッビアーティ賞」、2014年にはジェノヴァより「グリフォ・ドーロ賞」を授与されている。ウィーン交響楽団より「ブルックナー・リング」を授与されたほか、イタリア共和国功労勲章「カヴァリエーレ」およびイタリア連帯の星勲章「コメンダトーレ」を受章。
このほか、2015年に設立されたフィルハーモニア・チューリヒの新レーベル「フィルハーモニア・レコード」より、ベルリオーズ、ワーグナー、ヴェルディ、ラフマニノフ、ブルックナー、リムスキー・コルサコフ、マルタンなどのCD、《リゴレット》、《ヴォツェック》、《カプレーティ家とモンテッキ家》、ヴェルディ《レクイエム》、レハール《ほほえみの国》などのDVDがリリースされている。
N響とは2001年の初登場以来、7回共演を重ねている。2022年9月、N響首席指揮者就任予定。
(NHK交響楽団ウェブサイトより転載)