藤村実穂子(メゾソプラノ) 〜歌曲の夕べ

後期ロマン派の残照に輝く名曲を

(C)K&G Photography

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 藤村実穂子が《ラインの黄金》のフリッカでバイロイト音楽祭にデビューしたのが2002年。日本人歌手として初めてバイロイトの主要役を歌った快挙はセンセーショナルな話題だった。以来、同音楽祭に繰り返し出演するなど、世界的なワーグナー歌手としての評価はゆるぎないし、もちろんワーグナーにとどまらず、バロックからフランス・オペラ、現代曲まで幅広いレパートリーで活躍しているのは周知のとおり。
 今回のプログラムはマーラーとR.シュトラウス。ドイツ歌曲の爛熟が味わえる、後期ロマン派の残照に輝く美味しいコンビだ。曲目は、シュトラウスが青年期から30歳代半ばまでに作曲した歌曲の中から12曲と、マーラーの「子供の魔法の角笛」からの8曲。以前のインタビューで藤村は、「プログラムを組むのに毎回1年かけているので(リサイタルは)すべてが聴きどころ」と語っている。熟考のプログラムから何を感じ取るか。会場に足を運んだ聴き手だけに与えられる特権だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2014年3月号から)

★3月25日(火)・静岡音楽館AOI 
問:静岡音楽館AOI 054-251-2200 
http://www.aoi.shizuoka-city.or.jp