新日本フィルハーモニー交響楽団の2021/22シーズン プログラムが発表された。22年は同楽団の創立50周年にあたり、21年9月から22年3月までをプレ記念イヤー、22年4月から23年3月までを記念イヤーとする。この期間は特定の音楽監督はおかず、これまで同楽団と共演してきた指揮者、そしてこれからの時代を担う若いアーティストを招き、「過去」と「未来」に思いを込めたプログラムになるという。
シリーズも、これまでの「トパーズ」「ジェイド」を発展的に統合したチャレンジングで芸術性豊かなプログラムが特徴の《定期演奏会「トリフォニーホール・シリーズ」・「サントリーホール・シリーズ」》と、これまでの「ルビー」にあたり名曲を中心にクラシック音楽の魅力を伝える《定期演奏会 すみだクラシックへの扉》の2つに生まれ変わる。
前者のシーズン開幕は、映画『千と千尋の神隠し』などスタジオジブリ作品の管弦楽を担当するきっかけとなった、Composer in Residence and Music Partnerの久石譲が登場。自身の新曲の初演とマーラーの交響曲第1番「巨人」という注目の構成(21.9/11, 9/12)。続いては20年9月にコロナ禍で来日ができなかったシャルル・デュトワによるストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」で、俊英、北村朋幹とのラヴェルのピアノ協奏曲にも期待(11/27, 11/29)。22年2月には、新日本フィル創設期にあたる1975年から初代音楽監督を務めた小泉和裕がシューマン、フランクの交響曲を披露する。
一方、「すみだクラシックへの扉」の初回は、ハインツ・ホリガーが登場。オーボエ演奏に加え、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」を指揮する(21.9/24, 9/25)。他にもベテラン佐渡裕に中国の若手ピアニスト、ニュウニュウによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(22.1/21, 1/22)など、華やかなラインナップが目を引く。
昨年はコロナ禍においても「パプリカ」をリモートで演奏した動画を配信、クラシック音楽界を象徴する積極的な活動に注目が集まった。まだまだ気の抜けない状況は続きそうだが、50年という節目に向けさらなる活躍に期待したい。
新日本フィルハーモニー交響楽団
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