東京2020応援プログラム 日本の響き、世界の調べ 第4回 さまざまな声、さまざまな歌

世界の民俗文化に根ざす“声”の饗宴

 「声」に関心のある方なら、じつに知的好奇心…いや本能を揺さぶられそう。「さまざまな声、さまざまな歌」は、モンゴル、スペイン、日本の、民俗文化に根ざした歌をそれぞれの本場の名手たちが聴かせる公演。倍音唱法のホーミーと、日本の追分節にも似たメリスマ装飾が特徴的な民謡のオルティン・ドーは、モンゴルの歌文化の両横綱。フラメンコというとダンスやギターを想像しがちだが、じつはカンテ(歌)こそがフラメンコの真髄といってもいい。民謡歌手・小杉真貴子は昭和41年レコード・デビューの民謡界を代表するベテラン歌手。文字を持たなかったアイヌの人々の文化は音楽にあふれている。リムセやウポポ、そして口承叙事詩ユーカラなど豊かな歌の形態が受け継がれている。日々の生活の中で生まれた世界中の民衆の歌には、国や時代を超えた、人びとの生命のエネルギーがみなぎっている。鑑賞でなく、生身の人が発した声を、同じ生きた人が受け止めることの喜びを感じに、ぜひ!
文:宮本 明
(ぶらあぼ2019年11月号より)

2019.11/9(土)14:00 文京シビックホール(小)
問:シビックチケット03-5803-1111
https://www.b-academy.jp/hall/