セバスティアン・ヴァイグレ(指揮) 読売日本交響楽団

自らをロットの“伝道師”と呼ぶ名匠のサウンドやいかに!?

セバスティアン・ヴァイグレ
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 2019年4月より読響の常任指揮者を務めるセバスティアン・ヴァイグレが、意欲的なプログラムを披露する。ハンス・ロットの交響曲ホ長調とプフィッツナーのチェロ協奏曲イ短調(遺作)。後期ロマン派の隠れた傑作に光を当てる。

 ハンス・ロットはマーラーに強い影響を与えた作曲家として知られている。わずか20歳でウィーン音楽院の卒業制作として交響曲の第1楽章を提出するが、審査員たちは作品を嘲笑し、ただブルックナーのみがロットの才能を認めて擁護した。全4楽章を書き終えたロットは、ブラームスに作品の演奏を願い出るが、酷評されてしまう。ロットは精神を病んだ末に、25歳で世を去った。

 ヴァイグレはこの曲に深い思い入れを持つ。早くも20年前に自筆譜の複写版を見て、自ら楽譜の400箇所以上を修正する校訂に携わったという。作品の真価を知らしめるべく、ヴァイグレは録音や多くのコンサートでこの交響曲をとりあげてきた。ヴァイグレによれば「師ブルックナーのオルガン的な色彩豊かな響きがある。ベートーヴェン、ワーグナー、ブラームスらへの尊敬の念も込められている」。マーラーの交響曲にも似ているが、先に書かれたのはロットのほうだ。

 プフィッツナーのチェロ協奏曲ではアルバン・ゲルハルトが独奏を務める。ゲルハルトはすでにヴァイグレとの共演でプフィッツナーのチェロ協奏曲を録音している。完成度の高い演奏を期待できそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年9月号より)

第591回 定期演奏会
2019.9/10(火)19:00 サントリーホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
https://yomikyo.or.jp/