鬼才ピアニストが向けるプロコフィエフへの眼差し

C)Outi Tormala
作曲家として、ラフマニノフ、ブゾーニ、ラウタヴァーラらの語法を受け継ぎ、自作を含めた作品群を故郷フィンランドの主要オーケストラや、ケルンWDR響、N響などで指揮。ピアニストとしてはベルリン・フィル、ニューヨーク・フィルなどの楽団と共演し、弾き振りも行う。
そんなムストネンが主要レパートリーの一つとしているプロコフィエフの作品、それもピアノ・ソナタのみ5作を披露する注目の公演が、いよいよ日本でも開催される(第4、9、1、3、7番という曲順を予定)。張りのある研ぎ澄まされたタッチ、奥行きを感じさせる柔和な音色を駆使し、ロマンティシズムを宿した最初のソナタや、円熟期の鮮烈なダイナミズムを持つソナタ、そして最後に完成させた洗練を極めたソナタを描く。プロコフィエフの小品から協奏曲までをよく知るムストネンが、音楽家としての多層的な視点から、濃密な音楽的時間を立ちのぼらせるに違いない。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2018年12月号より)
2018.12/4(火)19:00 浜離宮朝日ホール
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831
http://www.pacific-concert.co.jp/