大田区民ホール・アプリコにて平日午後を音楽で優雅に楽しむことができる“アプリコ・アフタヌーン・サロン”が4月から始まる。第一弾のテーマは「大作曲家の恋文」だ。
第1回は「ロマン派の巨匠たちと恋の大追跡劇」がテーマ。19世紀のパリを中心に、芸術家のパトロン貴族たちのサロンと、そこに集ったご婦人方と作曲家たちとの恋愛模様に焦点を当てる。出演はパリ在住のピアニスト、児玉麻里・桃姉妹。前半はソロ演奏とともに画像資料、ヨーロッパで活躍の児玉姉妹ならではのステージトークを交える。後半は、「パトロンつながり」という視点になるのだろう、チャイコフスキーの三大バレエ音楽を2台ピアノで。これは児玉姉妹のデュオが昨年リリースしたCDの収録曲。編曲がドビュッシー(白鳥の湖)、ラフマニノフ(眠れる森の美女)、アレンスキー(くるみ割り人形)という注目盤だ。
シリーズ第2回は7月4日。「リストと運命の女たち〜禁断の恋愛〜」をテーマに、クラシック音楽史上最初のアイドルとして当時の女性たちを失神させたリストを主役に行なわれる。プログラムはリスト「《リゴレット》による演奏会用パラフレーズ」や「バラード第2番」などで、若手人気ピアニストの福間洸太朗が出演する。
同シリーズにはその後も仲道郁代、近藤嘉宏、高橋多佳子らが登場。ナビゲーターは4回とも文化芸術プロデューサーの浦久俊彦が務める。こうした好企画のコンサートに、世界の第一線で活躍するピアニストたちが次々と登場するのはなんと有意義なことだろう。
文:宮本 明
(ぶらあぼ 2017年3月号から)
Vol.1 4/20(木)、Vol.2 7/4(火)各日14:00 大田区民ホール・アプリコ
問:大田区文化振興協会03-3750-1555
http://www.ota-bunka.or.jp/