スペインの名匠が聴かせる故国の傑作の神髄
ホアキン・アチュカロは、現代スペインを代表する巨匠ピアニスト。バスク地方のビルバオに生まれ、早くから数々の登竜門で入賞を重ねた。そして、1959年にリヴァプール国際コンクールを制したのを機に、本格的な活動を開始。リサイタル活動はもちろん、ベルリン・フィルなど世界各国の一流オーケストラと共演、その数は今や200以上に。「彼が創り出す非常に独特な音色は、今ではほんの僅かなピアニストしか持っていない。それはとても稀有で、瞬時にそれとわかる」とサイモン・ラトルが述べたのをはじめ、数多くの指揮者が巨匠への賛辞を惜しまない。
注目の来日ステージでは、ベートーヴェンのソナタ第10番やショパン「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」など、まずはピアノ音楽史を軽く俯瞰。そして、モンポウ「12の前奏曲」から第1、9、7番に、没後100年のグラナドスや、アルベニスの作品を交えて、故国スペインの傑作の真髄を知らしめる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年9月号から)
9/20(火)14:00 浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu