真夏に聴く「第九」で新たな発見を
わが国では“年末の風物詩”のイメージが定着している「第九」だが、真夏に聴く秀演は、また違った発見をもたらしてくれるかも。前音楽監督のゲルハルト・ボッセの薫陶を受けて実力を磨き、現音楽監督の岡山潔のもと、独自のサウンド創りで新境地を拓いている神戸市室内合奏団。そして、宇野功芳とのコラボレートなど、高い技量で名演を聴かせている神戸市混声合唱団。ドイツ・デュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学指揮科主任教授も務める名匠リューディガー・ボーンを迎えて、ベートーヴェン畢生の大作・交響曲第9番「合唱付」に挑む。合奏団と合唱団を運営する神戸市演奏協会と、神戸市民文化振興財団との合併を記念するステージ。ソプラノ老田裕子、アルト八木寿子、テノール眞木喜規、バス福嶋勲らソリストを務めるのも、同合唱団に所属する精鋭たちだ。また、「第九」に先立って、2006年に日本音楽コンクールのピアノ部門を制した河内仁志のソロで、ハイドンの協奏曲ニ長調も披露される。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)
7/31(日)14:00 神戸文化ホール
問:神戸文化ホールプレイガイド078-351-3349
http://www.kobe-bunka.jp/hall