第54回大阪国際フェスティバル2016 大阪4大オーケストラの響演

“4オケ”が再集結する、興奮の一夜!

左より 外山雄三、飯守泰次郎、井上道義、飯森範親 Photo:M.Terashi/Tokyo MDE
左より 外山雄三、飯守泰次郎、井上道義、飯森範親 Photo:M.Terashi/Tokyo MDE

 大阪を拠点とする4つのオーケストラ(大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、日本センチュリー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団)がフェスティバルホールに集結する『大阪4大オーケストラの響演』。初開催となった昨年の好評をうけて今年も開催する。去る1月12日、4指揮者がフェスティバルホールに集まり、思いを語った。
 「他の楽団に比べて非常に若い楽団。きっちり演奏すれば、いい演奏になる作品を選んだ」と語る大阪響ミュージック・アドバイザーの外山雄三はストラヴィンスキーのユーモア溢れるバレエ音楽「かるた遊び」を指揮。
 「饒舌で、人生を謳歌する人々が大勢いる大阪という土地に根付く楽団であるならば、ラテン的な作品をどんどんやるべき」と話す大阪フィル首席指揮者の井上道義が指揮するのはラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲。
 ワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》から「前奏曲」と「愛の死」を披露する関西フィル桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎は「これほど長く関係が続くのは、日本では珍しい。ゆっくりと時間をかけて音楽を創っていくという理想が実現しつつある。数多く演奏してきたワーグナーで、私たちの熟成された親密な関係を披露したい」と話す。
 ハイドン交響曲全曲演奏をスタートさせたばかりの日本センチュリー響はその延長上でベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を聴かせる。首席指揮者の飯森範親は「楽員たちのあいだにドイツ・オーストリアの音楽に対するシンパシーも生まれてきた。ベートーヴェンからも、それを感じ取っていただければ」と語る。
 日本のクラシック音楽界に数々の伝説を刻んできた大阪国際フェスティバルに、また新たな伝説が生まれるだろうこの日、関西にとどまらずクラシック音楽ファンなら馳せ参じたい。
文:唯野正彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年4月号から)

4/24(日)17:00 フェスティバルホール
問:フェスティバルホール チケットセンター06-6231-2221
http://www.festivalhall.jp